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スマートグリッドとは? 次世代送配電網と次世代スマートメーターのメリットを紹介

2026.5.11

物価の高騰に加え、地震や台風などの自然災害も頻発している昨今、私たちの生活に欠かせない電気を安定的かつ可能な限り安価に確保することは重要な課題です。そこで、近所の家庭や施設で余った電力を利用して地域で助け合う、「電気の助け合い」を自動的に実現させるスマートグリッドが注目されています。
本記事ではスマートグリッドの仕組みについて、2025年度から本格化している第2世代スマートメーターの導入や、電気自動車(EV)との連携を含めてわかりやすく解説します。

次世代の送配電網 スマートグリッドとは?その仕組みとメリット

「スマートグリッド」は電力の供給側と需要側をITによって双方向につなぎ、その流れを最適化する次世代の「賢い(Smart)送電網(Grid)」です。

これまで電気といえば、発電所から消費者のもとへと、一方向で供給されるのが一般的でした。しかし、最近では各家庭で太陽光パネルや蓄電池を設置したり、地域や企業がメガソーラーや風力発電を導入したりと、発電所以外でも小規模な電源が分散するようになってきました。スマートグリッドは、このような分散している電源も含めた電力をまとめて管理します。どこかで電力が余れば蓄え、不足すれば補うというように、電気エネルギーの調整を自動で行う仕組みです。

このスマートグリッドの仕組みは、2003年にアメリカで発生した大停電がきっかけとなって推進されました。電力の需要と供給をリアルタイムで監視でき、発電のロス(無駄)を省けますし、どこかで停電が起きたとしても地域で電力を融通し合えば停電被害を減らすことにつながります。また、電力供給が不安定になる悪天候時でも効率的に電力を供給できるメリットもあります。

発電所の負担を減らしながら安定した電力を供給し、同時に脱炭素社会の実現にも近づく。スマートグリッドはそのために必要不可欠なのです。

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電力の最適化 スマートグリッドの司令塔!次世代スマートメーターの役割

このスマートグリッドの司令塔ともいえるのが、順次導入されている「第2世代スマートメーター」です。現在の第1世代スマートメーターで見られる電気使用量は30分ごとですが、第2世代ではさらに細かく見られるようになります。今後は各電力会社のシステム対応が進むことで、私たちはよりリアルタイムに近い電力使用状況を確認できるようになるでしょう。

第2世代スマートメーターでは、例えば、テレビのスイッチを入れたり電子レンジを使ったりして瞬間的に起きる変動といった、製品ごとの電力の使用状況を把握できます。
これにより、今後、どんなことが可能になるでしょうか。各家庭のスマートメーターから集まった情報に基づき、電力会社が電力の不足を予測します。この情報を各家庭にあるスマートホーム機能が受け取り、電力需給に合わせて各家電製品の運転を自動で制御します。天気が悪くなって太陽光発電の出力が急減したときも、メーターから送られる高精度なデータが即座に共有されるため必要な電力を融通し合うなどの対応が可能になります。スマートメーターがスマートグリッド全体の調整役、司令塔の一部として、リアルタイムで電力の流れを「交通整理」するわけです。

スマートグリッド

また、第2世代スマートメーターには、停電発生を電力会社に通知する機能も搭載されています。住人からの通報を待たずに停電エリアを特定することで、スピーディーな停電復旧が可能になると期待されています。こうした通信能力の活用方法については、ひとり暮らしの高齢者を遠隔で見守るなど、今の時代ならではのサービスに使うことも検討されています。

第2世代スマートメーターは2025年度から順次導入されており、2030年代のはじめには全世帯へ設置される予定となっています。

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スマートグリッドと「走る電源」 電気自動車との連携で街中が蓄電池に

V2H V2G

スマートグリッドの中でもうひとつ大きな役割を果たすのが電気自動車(EV)です。
EVは一般家庭の数日分に相当する電力が賄える大容量のバッテリーを積んでおり、いざというときには家庭用の蓄電池としても利用できる一方、地域全体の電力バランスを支える「移動する蓄電池」としても機能します。

EVの電気と家庭の電気は性質が異なり、EVの電気をそのまま家に流すことはできません。そこで欠かせないのが、EVの電気を家に流す「V2H(Vehicle to Home)」や、EVの電気を電力網(グリッド)に戻す「V2G(Vehicle to Grid)」という技術です。これにより、街中を走る電気自動車が地域の蓄電池としての役割を果たすのです。

こうした技術を第2世代スマートメーターと連携させれば、例えば、「今は電気が余っているのでEVに充電しよう」「エリアの電力網が混んでいるのでEVの電気を家で使おう」「今は家で使わずエリアに電力を貸し出そう」といった使い方ができるようになります。

地域全体の電力が不足した際も、街中のEVから電力網(グリッド)へ一斉に放電することで、発電所の過大な負荷を抑えながら必要な電力を確保できます。つまり、それぞれのEVが「仮想発電所(VPP)」の一部として機能し、地域全体の電力を安定化させるとともに、停電リスクの低減に貢献するのです。

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電気代を安くする スマートグリッドの恩恵を受けるには?自動最適化への道のり

社会実装が始まったばかりのスマートグリッドですが、日常でその効果を感じられるのは決して遠い未来の話ではありません。電力会社のアプリなどで自宅の電力使用量を見える化したり、家電製品の買い替え時にはスマート家電を選んだりすることから始めてみてはいかがでしょうか。電気の最適化が自動で行われて電気代が安くなるだけでなく、環境に対する貢献も実感できるでしょう。

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【執筆】ユピスタ編集部
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