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街中のビルが太陽電池に! 再生可能エネルギーが創るスマートシティ

2021.12.27

IT技術の力で持続可能な未来都市を築く、スマートシティ構想。進化を続けるスマートシティ構想の本当の目的とはどのようなものなのでしょうか。今回は最新スマートシティ事情を、進行中の事例を交えながらご紹介。また、スマートシティを支える再生エネルギーのひとつで、都市を巨大な太陽電池に変える話題の新技術についてもお伝えします。

未来都市スマートシティでの便利な暮らし

スマートシティ

「スマートシティ」という言葉でまず思い浮かぶのは、IT技術の進歩による、快適で便利な暮らしですよね。会社や学校に行かずとも好きな場所で仕事や勉強ができ、オンラインで診療も買い物も可能になり、移動手段は自動化されるなど、より快適で便利な暮らしが実現すると予想されています。

国交省は、スマートシティを「都市が抱える諸問題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画・整備・管理・運営)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と定義しています。つまりスマートシティとは、「諸問題を、IT技術を駆使して解決する都市」ということになります。

2050年には世界の7割の人口、約60億人が都市に集中して住むことになるという予想があります。その結果どういうことが起きるかというと、電力が足りなくなる、環境問題は悪化する、渋滞は今よりずっとひどくなり医療も物資の輸送も間に合わない、といった様々な問題が引き起こされることになるでしょう。そのような状況を打破するために、IT技術を駆使して可能な限りエネルギーやスペースを効率的に使い、環境に配慮した街づくりをすることが必要になるのです。

現在進行中のスマートシティの事例

スマートシティ計画

スマートシティへの取り組みは、すでに世界中で始まっています。主なプロジェクトだけでも400箇所以上あり、全体では2000箇所以上でプロジェクトが行われています。日本では国交省によって令和元年に15の事業が「先行モデルプロジェクト」として発表されましたが、実際にはそれをはるかに超える数十箇所で実証実験が行われ、実装化されています。

そのうちのひとつが、福島県会津若松市の「スマートシティ会津若松」です。会津若松市の課題は、少子高齢化。この課題を解決するため、同市では生活の利便化に力を入れています。自宅で医師の診療が受けられるオンライン医療や、住民の居住地を「見える化」することで防災やバス路線を最適化。またICT関連企業を集積し、農業振興のために農業に積極的にデータ分析やIoTを取り入れて効率を向上させ、仕事と雇用を生み出しています。それにより人口減少に歯止めをかけ、交流人口を増やすことを目指しています。

また企業が取り組んでいるプロジェクトの例もあります。例えば日本隋一のモビリティ企業が開発を進める実験都市。このプロジェクトでは自動運転、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム、人工知能技術などあらゆる最先端技術の実験が行われています。企業の従業員や関係者2000名程度が暮らすことが予定されており、将来的には一般居住者の募集も予定されています。

世界のスマートシティ市場は、2026年までに3兆4800億ドルにもなると言われており、スマートシティを支える産業は、今後の基幹産業のひとつとなるでしょう。民間企業への期待はますます高まっています。

街中が太陽光電池に。 スマートシティの未来

ペロブスカイト太陽電池

スマートシティでは莫大な電力が必要となることが課題ですが、それを補えるかもしれないと話題の再生可能エネルギーがあります。それは太陽光電池の新技術です。

太陽光発電システムは太陽の光を電気に変える発電方法で、現在はシリコン系電池が主流です。ところがシリコン系電池は重くて大きく、設置場所を取り、価格も高く、しかも製造するのが難しい。そこで今注目を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。

この耳慣れぬ太陽電池は、材料を塗って乾かすだけで完成します。印刷するように簡単に製造でき、材料も低コストで合成可能。出来上がった完成品は薄くて軽いシートなので、これまで重い太陽電池を置けなかった屋根にも、壁にも、窓にも設置できるという、国土の狭い日本にはうってつけの太陽電池といえます。現在多数の企業が競って開発しており、耐久性、そして電気への変換効率も驚異的に向上しつつあります。将来のスマートシティでは、街中のビルや建物の屋上や壁、窓などあらゆる場所にペロブスカイトを利用した太陽光電池が見られるようになり、都市全体が巨大な発電装置となるのでは?と予想されています。

また電気自動車の車体にもペロブスカイトが使われる可能性が。日中停車している間にどこでも充電できるようになるため、わざわざ充電スタンドで充電をする必要がなくなります。再生可能エネルギーのみで電力消費を賄える時代も近いかもしれません。

日本の都市の未来像がすぐそこに

未来都市・スマートシティでは、さまざまな都市の問題が解決され、本当の意味で「便利で快適な」暮らしが実現するでしょう。近い将来、自分や子どもたちが住むことになるかもしれないスマートシティと、それを支える技術の発展から今後も目が離せません。


【執筆】ユピスタ編集部
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