ワイヤレスイヤホンは、Bluetoothなどの無線通信の技術を利用して、音楽や通話を楽しめる便利なアイテムです。この記事では、ワイヤレスイヤホンの基本的な仕組みとともに、ノイズキャンセリング機能やタイムラグ(音声の遅延)について解説します。あわせてマルチポイントによる便利な使い方も紹介します。
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ワイヤレスイヤホンは、Bluetoothなどの無線通信の技術を利用して、音楽や通話を楽しめる便利なアイテムです。この記事では、ワイヤレスイヤホンの基本的な仕組みとともに、ノイズキャンセリング機能やタイムラグ(音声の遅延)について解説します。あわせてマルチポイントによる便利な使い方も紹介します。
ワイヤレスイヤホンには、手のひらに乗るほどの小さなハードウェアに、無線技術やデジタルデータを音楽に変換する最先端技術が詰め込まれています。
ワイヤレスイヤホンに使われている無線技術は、Bluetoothが一般的です。Bluetoothが使用する2.4GHz帯の周波数はWi-Fiと同じ帯域であり、障害物に弱いという特性もありますが、省電力による安定した通信が可能です。また、一部の左右独立型イヤホンでは、左右間の接続に磁界で通信するNFMI(Near-Field Magnetic Induction:近距離磁界誘導)も使われています。
Bluetoothの進化を簡単に振り返ると、2016年のバージョン5.0において大幅なアップデートが行われました。4.0のバージョンと比較してデータの通信速度が2倍、通信範囲が4倍、通信容量が8倍に拡大。2020年に登場した5.2では、LE Audioの規格が追加されました。2025年現在、バージョン6.1まで発表されています。
LE AudioのLEは低消費電力(Low Energy)という意味です。省電力にとどまらず、複数のデバイスに音声を転送できる「マルチ・ストリーム・オーディオ」のほか、音楽を共有する「オーディオシェアリング」、そしてハイレゾ音源に対応するLC3というコーデック(音のデータを圧縮したり復元したりするプログラム)が使えるようになりました。
ワイヤレスイヤホンの内部にはDAC(デジタルからアナログへの変換回路)やアンプを搭載し、デジタル信号をドライバーユニットで再生できる音に変換しています。他にもマイクやタッチセンサーなどを備え、使いやすいよう工夫が凝らされているのです。
ワイヤレスイヤホンに搭載されているノイズキャンセリングとは、周囲の雑音を軽減して、クリアな音で聴くことができる機能のことです。
ノイズキャンセルの仕組みは大きく分けて2つあります。まず、パッシブノイズキャンセリング(PNC)。これは、イヤホンの物理的な形状で耳栓のように遮音する仕組みです。一方、アクティブノイズキャンセリング(ANC)は、内蔵マイクで外部の音を集め、ノイズと逆位相の音を生成することにより雑音を低減します。
音は空気を振動させる波形として、人間の耳に届きます。アクティブノイズキャンセリングでは、雑音を反転させた波形を作り出してノイズを打ち消します。プラスにマイナスを加えてゼロにするイメージといえるでしょう。道路の騒音を減らす遮音壁にも、同様の技術が使われています。
ところで、ワイヤレスイヤホン特有の難点といえば、タイムラグが発生することでしょう。タイムラグは、通信距離が離れている場合のほか、信号処理のさまざまなプロセスで発生します。低遅延のコーデックを使えばある程度は低減できますが、完全にはなくなりません。また、スマートフォンなどの再生機器とワイヤレスイヤホンを繋いで音声を聞く場合は、その両方が使用したいコーデックに対応している必要があります。
LE Audio対応製品では、LC3コーデックの採用により従来のClassic Audioより低遅延を実現しています。ノイズキャンセル機能とともに検討してみてはいかがでしょうか。
Bluetoothで接続した機器の切り替えは煩わしいものです。しかし、マルチポイント接続を使えば、面倒な操作なしにワイヤレスイヤホンと複数の機器の接続をスムーズに切り替えられます。たとえば、ワイヤレスイヤホンをパソコンとスマートフォンの両方に接続しているとします。パソコンで音楽を聴いているとき、スマートフォンに着信があったら、あわてて機器を手動で切り替えなくてもそのままワイヤレスイヤホンとスマートフォンを使って通話ができるのです。
マルチポイント接続と似ている機能に、マルチペアリングがあります。マルチペアリングは、複数の端末と接続できる機能です。端末を記憶させておけばペアリングをやり直すことなく接続できますが、マルチポイントと異なり手動で接続しなおす必要があります。
無線通信技術の発展により、多様な活用シーンが実現しつつあります。Bluetoothに対応した家電と連携し、ワイヤレスイヤホン経由で音声アシスタントのガイダンスを受けながら、電話があったときには通話に切り替えるようなことができるようになりました。ただし、事前に各機器の対応状況を確認することが大切です。
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ワイヤレスイヤホンには、Bluetoothをはじめとするさまざまな無線通信技術が使われています。ノイズキャンセリング機能とともに、コーデックの進化により音質の向上や通信の安定化、低遅延化を実現してきました。ワイヤレスイヤホンはとても小さなアイテムですが、そこには最先端の技術が凝縮されているのです。
※Bluetooth®ワードマークおよびロゴは登録商標であり、Bluetooth SIG, Inc. が所有権を有します。
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