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バーチャルヒューマンとは?アニメやVTuberとは違うリアルなCGキャラに迫る

2022.4.8

いま注目を集める「バーチャルヒューマン」はご存知でしょうか?人間と見紛うほどそっくりなCGで描かれた、まるで実際に生きているかのようなキャラクター。同じキャラクターでも、VTuberやアニメキャラとは一体何が違うのでしょうか。気付けばあなたの身の周りで既に活躍している、バーチャルヒューマンについてご紹介します。

コミュニケーションの新世界!バーチャルヒューマンとは

バーチャルヒューマン

数年前、ある国民的歌手をCGで再現したバーチャルヒューマンが、年末の風物詩である音楽番組に登場し話題になりました。CGながら本物にしか見えないそのビジュアルや動き、歌声は、まさに大スターの復活として大きな感動を与えました。このようにバーチャルヒューマンは、私たちの生活に徐々に浸透し始めています。

バーチャルヒューマンはエンターテインメントだけではなく、人間の代わりとして、生活の身近な場所で実は導入されています。例えば携帯電話ショップの接客係や、企業のコンシェルジュとして。一方的に話しかけるだけのアナウンス役の場合もあれば、インタラクティブな会話によって、一人一人のニーズに合ったサービスを提供するようプログラミングされたバーチャルヒューマンもいます。人間には不可能な365日・24時間の対応も、バーチャルなら可能。しかも味気ないロボットではなく、人間そっくりな見た目や動きなので、スムーズなコミュニケーションが行えるのです。

またバーチャルヒューマンは、バーチャルゆえに外国語対応も大得意。実際の人間には到底できないマルチリンガルとして、海外からの観光客が多いツアーガイドや家電量販店スタッフとしても活躍しています。さらに驚くことにバーチャルヒューマンが医師の代わりを務めることも。心臓病治療のコーチとして、患者が飲もうとする薬をカメラ越しに認識し、薬に関する知識を提供したり、患者が抱える不安や悩みを察知して、医師の診察を代わりに予約してくれたりします。これらの事例以外にも、バーチャルヒューマンはあらゆるシーンで人間に代わり活躍しています。

VTuberやアニメキャラとは何が違う?

バーチャルヒューマン

しかし「バーチャルヒューマン」は、なぜ人間に見紛うほどそっくりである必要があるのでしょうか。そしてユピスタでもご紹介してきた「VTuber」や「アニメキャラ」とは一体何が違うのでしょうか。

実はバーチャルヒューマンは、アニメキャラやゲームキャラ、映画キャラといった、エンターテインメントの系譜から生まれたものではありません。バーチャルヒューマンは、主にAIチャットの延長線上にあるテクノロジーとして進化してきたのです。彼らはAIチャットの「コミュニケーションインターフェイス」として作られ、その結果、AIチャットではできない表現…つまり、その状況に最もふさわしい「表情」で対応できるという能力を、リアルなCGによって手に入れました。

人間のコミュニケーションはその9割が、言葉や文字ではなく、声のトーンや表情に重点を置いていると言われています。人間そっくりの表現力を持つバーチャルヒューマンたちは、無味乾燥になりがちなチャットボットのやり取りにぬくもりを与え、コミュニケーションを円滑にし、顧客満足度を高めることが期待されています。

ところで「不気味の谷」と呼ばれる現象をご存知でしょうか。これは、実際の人間に似せて作ったCGが、リアルになればなるほど、逆に気持ち悪く、好感よりむしろ違和感・嫌悪感を抱かせてしまうものの、ある地点を超えると、再び好感度が高まっていく、という心理現象のことをいいます。

昨今のCG技術の進化によって、人間そっくりのCGは「不気味の谷」を突破しました。AIチャットの進化系として、違和感のないコミュニケーションが期待されたバーチャルヒューマンは、人間と見間違えるほどそっくりなCGを身につけることによって、ついにその役目を果たすことが可能になったのです。さらに最近は、AIによるボイスもイントネーションが正確に表現され、ますます人間に近づいています。

一方、VTuberや典型的なアニメキャラは、人間そっくりである必要はありません。むしろ現実世界にはない自由な発想や表現を身につけることこそが、私たちを魅了する最大のポイントであるといえます。バーチャルヒューマンとは逆の、「現実に存在しない」ということが価値を生み出す世界。同じ「キャラクター」であってもその存在意義が異なるのです。

バーチャルインフルエンサーも?広がるキャラクターの世界

バーチャルヒューマン

人とのコミュニケーションを主目的としてきたバーチャルヒューマンですが、一方で「おしゃべり」せずに活躍している事例もあります。その代表がモデル。某アパレル企業では、2000人もの女性の体型の平均値を算出し、それを元に作り上げたバーチャルヒューマンをファッションモデルとして活動させています。「モデルと同じように着こなせない」という顧客の声を受け、平均的な体型のバーチャルヒューマンを作り出し、実践的なコーディネートを提案しています。

またバーチャルヒューマンをアイドルのように捉える動きも出てきました。YouTubeやInstagramで活動し人気を集めるバーチャルヒューマンは、いまや「バーチャルインフルエンサー」と呼ばれています。中には160万人ものフォロワーがいるアカウントも。「まさかCGだったなんて」という驚きが、むしろ話題となり人気に火をつけています。先ほどの「平均的な体型」の事例とは逆に、CGゆえにきらびやかでリアルな世界観も演出しやすく、企業のコンセプトやイメージ通りのキャラクターを生み出すことも容易です。さらにバーチャルヒューマンならスキャンダルもなく、ジェンダーレスな表現も可能であることも重要なファクターです。

メタバースが急拡大する中、バーチャルヒューマンの動向はさらに注目されています。ユピスタでご紹介してきた通り、メタバースはまさに「なりたい自分になれる別世界」。ひょっとすると将来的に、アニメ風のかわいいキャラにもなれるし、バーチャルヒューマンのようなリアルな別人にもなれる、なんてことになれば楽しそうですね。

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あるバーチャルインフルエンサーの作り手は、「自分の手で好きなキャラを誕生させてみたかった。自分の描いた絵に命を宿らせ、動かしてみたかった」と語っています。これはまさにVTuberやキャラクターにとっても同じ想い。どちらも、情熱的にキャラクターの世界を広げてくれることでしょう。xRが作り出す新しい世界の到来にますます期待したいですね。

バーチャルな存在がますます身近に

バーチャルな存在と触れ合う楽しい未来は、既に始まっています。ご紹介したバーチャルヒューマンは、現実世界に軸足を置いたバーチャルな存在。一方でVTuberやアニメキャラは、現実を超越した世界で私たちを楽しませてくれます。

ユピテルのオリジナルアニメキャラクター「霧島レイ」と実在の世界で触れ合いたい、という情熱が形になったのが、霧島レイがホログラムさながらに浮かび上がる「LVR-01」です。宙に浮かぶ霧島レイに(非接触で)タッチするだけで、霧島レイと触れ合うことが可能。バーチャルな存在を、よりリアルに、より身近に、感じてみてはいかがでしょうか。


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【執筆】ユピスタ編集部
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