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いまさらだけど「投げ銭」って何?推しを育てる推し活の広がりとは

2023.8.21

YouTuberやVTuberの配信にとどまらず、様々なジャンルに導入され始めた「投げ銭」機能。いったいどんな時に、どんな思いで「投げ銭」が行われるのでしょうか。コンサートやCD購入といった「課金」とはまた違うこの文化は、今やなんとネコにまで?古くて新しい、今時の投げ銭文化を解説します。

投げ銭って何?意外にも昔からある応援文化、ギフティング

投げ銭(なげせん)とは、もともと大道芸人などのパフォーマンスに対し、観客がお金を支払う行為を指します。これは裏返しにして置かれた帽子に多少の硬貨を入れたり、紙に包んで投げたりすること。「おひねり」はお金を包んだ紙がひねってあるからそう呼ぶのだとか。

もっとも、最近話題になっている投げ銭は、インターネットで配信している人にお金を送ることを指します。今では各種SNSやほとんどの投稿サイトに投げ銭機能が搭載されています。お金以外にもステッカーやバッジなど、何かしらのアイテムを購入し、それをコメントと一緒に送ることができるものも。中でもメジャーなものは、YouTubeで行われるスーパーチャット、略してスパチャでしょう。バーチャルキャラクターたちのYouTuber、いわゆるVTuberたちも、投げ銭で稼ぐ配信者ランキングでは上位の常連となっています。

このデジタルな投げ銭のシステムは10年以上前からありましたが、ブームになったのはここ2〜3年です。これにはコロナ禍によるイベントの減少や外出の自粛が大きく影響しています。オンラインイベントが増えたことで、多くの人がオンラインでの繋がりに新たな楽しみを発見しました。スマホで手軽に決済ができるようになったことも大きな原因のひとつでしょう。また、日本にはもともとアイドル文化・推し活文化が根付いており、お金を出して「推し」を応援することに(たとえバーチャルな相手だとしても)抵抗がない人も少なくありません。結果的に日本国内での投げ銭市場は、3000億円以上という規模に膨れ上がっています。

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投げ銭の功罪。推しへの貢献が可視化され、推しを育てる実感がもたらす明暗

VTuber スパチャ

投げ銭が持つ魅力のひとつは、配信者の反応がリアルタイムで分かることです。投げ銭が行われるのは大抵ライブ配信中。投げ銭と一緒に送ったコメントは金額に比例して、大きく目立つように、そして長い時間表示され続けます。つまり、それだけ推し配信者の目にも留まりやすくなるわけで、運が良ければ「〇〇さん、いつもありがとう」の一言がもらえるかもしれません。また、他のファンよりたくさん投げた、という優越感も味わえるでしょう。配信者の投げ銭獲得額がデビューやCM出演を左右する場合もあり、そうなると「推しを育てる」ため、投げる手にはますます力が入ります。

ただしこの投げ銭、いくつかの問題も浮上しています。例えば多くのサイトでは「誰がいくら投げたか」「どの配信者がいくら投げ銭を獲得したか」といったランキング制を取り入れており、時としてそれが投げ銭を煽ることにつながります。ファンの中で1位になりたい、推しを1位にしたいという気持ちから投げる金額がエスカレート。その結果、未成年が親のクレジットカードを使って高額の投げ銭をしてしまうといったトラブルの相談も急増しています。中には数百万円もの投げ銭をしたという高校生も…。

業界団体では未成年の投げ銭対策として、配信時間や上限額の設定なども始めていますが、家庭においてもルールを決める、スマホの設定を見直すなどの対策が必要かもしれません。

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投げ銭だけじゃない。応援経済のけん引で加速する、推し活の広がり

VTuber スパチャ

投げ銭は今や様々な分野で導入されています。例えば日本のプロ野球やサッカーJリーグでは、元選手などのトークや解説が聞けるオンラインイベントを実施し、投げ銭システムを組み込みました。飲食店でも、お気に入りのスタッフにポイントをプレゼントできるシステムを導入する店舗が現れています。スタッフのモチベーションアップや、お店のリピーター獲得に繋がりそうですね。これらの多くはコロナ禍対策として始まりましたが、反響も効果も大きく、今後も様々な業界で実施されそうです。

投げ銭によって応援されるのは、人間だけではありません。ペットブームの中、投げ銭システムで保護猫を応援するというサービスも始まっています。保護猫の中から好きな猫を選ぶと「推し猫」のライブ映像を見ることができ、そこで投げられたお金は保護猫団体に支払われ、保護活動に充てられます。自分では猫を飼ったり保護活動を行ったりはできないけれど、何か役立つことをしたいという人には嬉しいシステムですね。保護団体に直接寄付するより猫たちに親近感がわき、推し猫のために何かしてあげたいという気持ちが高まりそうです。

こうした応援経済の高まりは、ここ数年で増加したクラウドファンディングのブームにも表れています。クラウドファンディングも投げ銭も、基本的には推しを応援したいという善意のあらわれ。優しい気持ちの受け渡しができるシステムとして発展していくことを期待したいものです。

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もはや推し活に使うお金は医療費?推しから反応をもらう喜びは生きる源に

推し活は自分の気持ちも上げ、毎日を楽しくしてくれるもの。推しのために使うお金は医療費であると言い切る人さえいるのだとか。投げ銭システムも現状の課題をクリアしつつ、投げたほうも投げられたほうも、もっとハッピーになれるサービスになっていくと良いですね。

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【執筆】ユピスタ編集部
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