4K動画などの高画質な動画を視聴できて、好きな音楽も外にいながらダウンロードすることがスマホでも可能になり、最近は周囲との通信で車の自動走行も現実味を帯びてきました。このように、私たちは日々当たり前のように電波通信を利用していますが、なぜ見えない空気を通して膨大なデータを伝達できるのでしょうか。
電波がデータを運ぶ物理的な仕組みや、電波法のルール、電波が悪いときの対処法など空中を飛び交う電波について解説し、予想される電波の未来も紹介します。
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4K動画などの高画質な動画を視聴できて、好きな音楽も外にいながらダウンロードすることがスマホでも可能になり、最近は周囲との通信で車の自動走行も現実味を帯びてきました。このように、私たちは日々当たり前のように電波通信を利用していますが、なぜ見えない空気を通して膨大なデータを伝達できるのでしょうか。
電波がデータを運ぶ物理的な仕組みや、電波法のルール、電波が悪いときの対処法など空中を飛び交う電波について解説し、予想される電波の未来も紹介します。

データや映像・音声を送受信したり、モノを温めるために活用されたりと、幅広い目的で使われている電波。この「目に見えない」電波は、どのようにしていろいろなことを行っているのでしょうか。
電波でシステムデータや映像・音声を送るには、超高速で振動するマイクロ波などに音声や映像のデジタルデータ(0と1)を載せて空気中に発します。載せるデータに応じて、一定の周波数を持つ「搬送波」を加工することを「変調(モジュレーション)」といいます。そして、この「変調」した電波をスマホなどの受信側が検知して「復調」、つまり復元することでデータを受け取ります。
目に見えない電波を使った大容量の情報伝達は、発信側の「変調」と受信側の「復調」で瞬時に行われるのです。
これは、「何も載せていないトラックに荷物を積み込んで運ぶような仕組み」に例えることができるでしょう。受け取る側が積み荷の載る前と後の総重量や重心、エンジン音のわずかな変化などを読み取って何が積まれているかを検知し、積み荷を復元しているというわけです。
一方電子レンジは、食品内部を通過するマイクロ波を使って、食品に含まれる水の分子を超高速で振り回し、分子同士がぶつかり合う摩擦熱で食品を温めています。また、人を暖めるためのこたつや電気ストーブは、マイクロ波よりさらに周波数が高い赤外線(遠赤外線)を使っています。この赤外線が人体(皮膚の分子)に伝わることで、体表面の毛細血管をじんわりと暖めるのです。
電波を使うこうした技術は電波の性質に対する理解と、高周波の波をコントロールする現代テクノロジーの結晶といえるでしょう。
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電波は公共の、そして有限の資源なので、誰でも勝手に飛ばして良いわけではありません。もし、それぞれが好きな周波数の電波を自由に飛ばしてしまうと、波同士が打ち消しあったり混ざったりして混信が起きます。
そこで、警察・消防、航空無線、テレビ放送、スマホや自動運転専用など、用途ごとに使ってもよい“レーン”(周波数の割り当て)が、「電波法」という法律によって決められているのです。

出典:令和7年版 情報通信白書(総務省)
このような電波の中でも特別なのが、フリーエリア(ISMバンド)の「2.4GHz帯」です。この“レーン”は電波法の免許が不要なので、Wi-FiやBluetoothなど、世界中のメーカーが通信に採用しており、常に“超・大渋滞”。そのため、データの破損や遅延・混信が起きやすい、いわゆる「電波が悪い」状態になりやすくなっています。
例えば、家の中ではWi-Fiと同じ周波数帯を使用する電子レンジなどの家電の影響により電波がつながりにくくなることがあります。その対策のひとつとして挙げられるのが、接続先を電子レンジの影響を受けない「5GHz / 6GHz」にすることです。ほとんどのルーターは「5GHz」も飛ばしているので、端末設定でSSIDの名前を確認し、末尾に「_A」や「_5G」があるものを選べば、空いた“レーン”に手動で切り替えられます。部屋によってWi-Fiがつながりにくいという場合は、Wi-Fiの中継器を設置するか、家の中に網の目のようにWi-Fiを張り巡らせる「メッシュWi-Fi」も検討しましょう。
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また、金属ボディに囲まれた車内では、外からの電波が遮られやすく、さらにスマートキーやスマホなどの電波も車内で反射を繰り返して外に逃げにくくなります。対策としてはガジェットを窓際へ配置する、外部アンテナを活用するなどができるかもしれません。
同様に、ビルの隙間や高層ビルの陰や地下など遮蔽物に囲まれた場所も電波が届きにくい可能性があります。端末の再起動や、通信設定や機内モードで接続をリフレッシュすることで改善するケースもあります。
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今、私たちは主に4G(数GHz以下、主にプラチナバンドなど)や5G(3.7GHz帯〜28GHz帯のミリ波)を使用していますが、すでに100GHz〜300GHz帯(テラヘルツ波)を使う次世代通信「6G」が開発されています。
テラヘルツなどの高周波を作るには、半導体を1秒間に数十億〜数千億回という超高速で振動させる必要があり、技術的なこともあって非常に困難でした。しかし、半導体を細かく加工する技術が追い付いたことで、従来のマイクロ波をはるかに超える100GHz超のテラヘルツ波を作ることが可能になっています。
6Gの実用化が現実のものとなれば、さらなる超・低遅延通信が実現し、完全自動運転(レベル5)への道も開かれるでしょう。6Gがレベル5対応の車に普及し、一般向けに商用化されるのは、2030年前後と予測されています。
そして、さらに注目されているのがLEDの超高速点滅でデータを運ぶワイヤレス光通信「Li-Fi」です。これまでの電波が車だとしたら、それはまるで飛行機で荷物を運ぶような進化です。光は電波の帯域を使わないため、電波法にも縛られません。前を走る車のテールランプと、自分の車のヘッドライトが、文字通り「光の速さ」で通信して、車間距離を自動でコントロールする…。そんな未来が実現しようとしています。
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見えない電波がデータを運ぶ仕組みから、電波法が必要な理由、そして6GやLi-Fiがもたらす未来まで。私たちが日々活用して楽しんでいる電波の持つ特性を利用することによって行われる通信は、半導体技術や物理法則の限界突破を目指す努力の積み重ねによるものなんですね。こうした通信の仕組みと進化を知れば、日々のデジタルライフもさらに面白くなりそうです。
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