私たちが目にする映像の画質や滑らかさは年々向上しています。この滑らかさを左右するのがフレームレート(fps)とリフレッシュレート(Hz)です。本記事ではこの違いを解説し、さらに2つの数値が噛み合わないことで起きる様々な現象について説明します。
また、最新のゲームでは映像の精細さや滑らかな動きのために高いフレームレートを設定できる一方、映画は昔から使われている「24fps」を今も守り続けています。その理由を紐解きつつ、フレームレートの観点からドライブレコーダーや防犯カメラを選ぶ際のポイントについてもみていきましょう。
実写でもアニメでもゲームの画面でも、私たちがモニターで目にするすべての動画は、たくさんの静止画像を高速で連続再生して作られています。これはパラパラ漫画で画像が動いているように見えるのと同じ仕組みです。
では、どれぐらいの画像がどれぐらいの速さで「めくられて」いるのでしょうか。これを表しているのが「フレームレート(fps)」と「リフレッシュレート(Hz)」です。「フレームレート」は1秒間の映像が何枚の画像(フレーム)でできているかを表し、「リフレッシュレート」はモニターが1秒間に画面を書き換える(更新する)回数を表します。
パラパラ漫画に例えるとフレームレート(fps)がパラパラ絵の枚数で、リフレッシュレート(Hz)は漫画をめくる速さだといえるかもしれません。基本的にはフレームレートやリフレッシュレートの数値が大きいほど、つまり1秒間に使われている画像の枚数が多く、その画像が素早く頻繁にめくられるほど、目に見える動画はブレが少なく滑らかになります。
一般的に、テレビ番組は29.97フレーム(29.97fps)、YouTubeは1秒間に30フレーム(30fps)でつくられます。一方、テレビやスマホのモニターは60Hzで動作していることが多く、1枚の画像を2回表示して30枚の画像を60回の画面更新に合わせています。わずか1秒の間にこれほど多くの画像転換が起きているなんて驚きですね。
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前述のように、テレビやスマホのフレームレートは一般的に30fps前後ですが、イマドキのゲームでは60〜120fpsのものが多く、映像が美しいうえに素早い「ぬるぬるとした動き」が特長です。特殊カメラを使えば240fps〜960fpsの動画も作成できます。もっとも、人の目で認識できるのは240fpsが限界といわれており、こうした映像は超スローモーションで再生してスポーツ分析などに使われることが多いようです。
もちろん、fpsが高くてもそれに対応したモニターで見なければ、その滑らかさを完全に体感することはできません。例えば、120fpsのゲームを60Hzのテレビモニターで再生すると、実質的には60fpsと同じ見え方になってしまいます。
また、高いフレームレートで撮影することが可能になった中で、あえて低いフレームレートで撮影される動画もあります。それが「映画」です。
多くの映画は今でも24fps(1秒間に24コマ)で撮影されています。実はこの撮影方法こそが映画独特の揺らぎを生み、シネマティックでフィクション的な雰囲気をつくり出しているのです。
なお、一般的なテレビのモニターは60Hzで動いているので、24fpsの映画を再生する場合は足りないコマを自動作成するなどして、より滑らかさが感じられるように仕上げています。しかし、過剰な補正は映画に違和感を生じさせる「ソープオペラ効果」が起こり、これを敬遠する映画製作者や映画ファンは少なくありません。多くのテレビに搭載されている「シネマモード」に映像設定を切り替えると、フレームレートを抑えた映像で見ることができます。
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フレッシュレートやリフレッシュレートは、監視カメラやドライブレコーダーの映りにも関係します。24時間にわたる監視や、長時間の録画を続けるこれらのデバイスでは、映画やゲームと違って映像の美しさよりも、長時間確実に記録できることが優先されます。
フレームレートや画質を上げ過ぎると映像を記録するHDD・SDカードなどの容量を圧迫し、保存しておける時間数は必然的に少なくなります。このため、「必要な映像が上書きされて消えてしまっていた」ということにもなりかねません。
防犯・監視カメラのフレームレートは通常なら3〜5fpsでの運用で十分でしょう。ただし、AIで映像を分析したり、駐車場などに設置して車のナンバープレートをはっきり撮影したいといった場合は、24〜30fps程度の設定が推奨されます。
ドライブレコーダーも30fps〜60fps程度での運用が一般的です。
なお、ドライブレコーダーを選ぶ場合は「LED信号機対応」機種を選ぶと安心です。これはドライブレコーダーにLED信号機が消灯したように映ってしまうのを防ぐためです。
信号機は常に光っているように見えます。しかし、現在の主流であるLED信号機は、実際には目に見えない速さで点滅しています。信号機を動かす電源の周波数は東西で異なり、東日本では50Hz、西日本では60Hzの周波数を元にした点滅周期となっています。この周波数とドライブレコーダーのフレームレートが一致または整数倍になるケースでは信号機が消えているように録画される「消失現象」が起こることがあります。ドライブレコーダーを購入する際は「LED信号機対応」の記載があるかを確認するとよいでしょう。
ユピテルのドライブレコーダーは、フレームレートを適正に調整し、東日本・西日本のいずれの周波数にも対応。消失現象を抑えています。
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フレームレートやリフレッシュレートといった言葉は、耳慣れないと感じる方も多いかもしれません。でも、こうしたシステムについての知識があれば、何気なく見ていた映像がいっそう興味深く感じられるものです。自分が所有しているさまざまなモニターのスペックや設定を確認して、フレームレートや周波数によって見え方の異なる映像を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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