様々な画像を映し出すディスプレイは日々進化しています。液晶から有機ELへ。さらに、最近では「AMOLED搭載」と表示されているガジェットを目にすることも増えてきました。AMOLEDとはどんなディスプレイなのでしょうか?そのしくみとは?AMOLEDディスプレイの特徴と使い方の注意点についてまとめます。
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様々な画像を映し出すディスプレイは日々進化しています。液晶から有機ELへ。さらに、最近では「AMOLED搭載」と表示されているガジェットを目にすることも増えてきました。AMOLEDとはどんなディスプレイなのでしょうか?そのしくみとは?AMOLEDディスプレイの特徴と使い方の注意点についてまとめます。
AMOLED(アモレッド)は、「アクティブマトリクス+OLED(有機EL)」の略語で、OLEDディスプレイの駆動形式のひとつです。
と言っても「アクティブマトリクス」は聞きなれない言葉ですよね。マトリクスにはいろいろな意味がありますが、機器の配線や部品の数を減らして効率的に駆動させるため、導線を格子状に張りめぐらせた回路をマトリクス回路と呼びます。また、ここでいう「アクティブ」は電子部品(素子)のタイプを指しています。電気エネルギーの影響を受けたり、消費したり、貯めたりするだけの素子は受動的な(パッシブ)部品、電気エネルギーを変える能力を持った素子は能動的な(アクティブ)な部品に分類されます。
さて、有機ELの「PMOLED(パッシブマトリクス)方式」という駆動形式は、格子状に張られた導線の行(X軸、Y軸)ごとに通電させ、交差したところにある画素を点灯させるというものです。これは電気を通す導線の組み合わせによって点灯を制御するという比較的シンプルな構造となっています。
これに対して「AMOLED(アクティブマトリクス)方式」ではPMOLEDに加え、画素ごとにスイッチをON・OFFできるトランジスタ効果を持つアクティブ素子が設置されています。この方式だと製造方法も回路の構造も複雑になりますが、画素単位で確実に電圧のオンオフを調節できるので、発光をピンポイントで調整できるというメリットがあります。
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AMOLEDが実現させた、従来の有機ELにない画期的かつ優れている点は、各画素の輝度や発光のコントロールを可能にしたことで得られる解像度の高さです。発光をピンポイントで調節することができると、他の画素から電圧の影響を受けないので、にじみのない鮮やかな色を再現することができるのです。特に黒はこれまでのOLEDと比べてくっきり表現できます。
また、オンオフの切り替えが素早くできるため、反応スピードが速いのも特徴です。これは画像のブレや残像が残りにくく、滑らかな表現が可能になるということで、AMOLEDが動画視聴やゲームに適しているという裏付けでもあります。
加えてPMOLEDにはカラーだと最大2インチ、モノクロで最大6インチというサイズ制限があり、用途は小型の機器やスマホのサブディスプレイなどに限定されますが、AMOLEDにはサイズの上限がないのでノートパソコンやスマートフォンはもちろん、テレビや大型のディスプレイにも対応することができます。
そして、AMOLEDはそれ自体が発光する有機物質を使用した有機ELなので、液晶ディスプレイに比べて視野角が広い、薄型・軽量、省エネといった有機ELの良い部分をも兼ね備えています。少し前までAMOLEDは一部のハイエンド商品だけに使用されていましたが、最近では様々なデバイスに搭載されるようになりつつあります。
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しかし、そんなAMOLEDにも課題がないわけではありません。そのひとつが複雑な回路による生産コストの高さです。AMOLEDで使用する部品の製造や生産プロセスには大きなコストと高度な技術が必要なため、AMOLEDを搭載したデバイスはどうしても価格が高くなりがちです。また、AMOLEDだけではありませんが、有機ELは青色発光材料の寿命が短く、液晶ディスプレイよりも劣化が早いといえます。
また、AMOLEDは焼き付きという現象を起こしやすいことも分かっています。焼き付きというのは、同じ静止画像を表示し続けていると、その画像が残像のように薄く残ってしまう現象です。これは同じ画像を表示し続けることで特定の画素が劣化して、他の部分より発光能力が落ちてしまうことが原因です。焼き付きが進んで深刻な状態になると、専門店での修理が必要となってしまいます。
こうした課題をクリアするための開発も行われていますが、日々の使い方を少し工夫すればAMOLEDをより快適に利用することができます。まず、焼き付きを予防するために、AMOLED/OLEDディスプレイを使用する時は、画面を明るくし過ぎないようにしましょう。ピクセルの発光をセーブするために、明るさの設定を「自動」にしておき、夜はダークモードを活用するのも有効です。また、使わない時はこまめにディスプレイの電源をオフにする、画面がオフになるまでの時間を決めておき、スクリーンセーバーやスリープモードを設定するのも焼き付き予防に役立ちます。
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発色がクリアで反応速度の速いAMOLEDは、スマホはもちろんカーナビやVRのヘッドセットなどへの活用も進んでいます。有機ELのメリットを最大限に活かせるディスプレイとして、AMOLEDは今後も活用範囲を広げていくことでしょう。AMOLED搭載のデバイスを使用する時は焼き付きに注意し、滑らかで美しい画面を長く楽しみたいものです。
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