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ガジェットをおしゃれに!有機発光ダイオード(OLED)は有機ELとどう違う?

2024.3.11

有機発光ダイオード(OLED)の登場で、ディスプレイのデザイン性や利便性が大きく変わろうとしています。OLED、有機ELの仕組みとは?また、OLEDはこれまでの液晶とどこが違うのでしょうか。身近な家電やガジェット(コンパクトで利便性の高いIT機器)を大きく変える、新しい技術の未来を予想します。

有機ELとOLEDは同じもの?液晶ディスプレイとはどう違う?

OLED

さまざまな電気製品が日々進化していますが、その代表的なものといえばディスプレイ(モニター)でしょう。例えば30年前のブラウン管テレビは厚さが50cm、重さは何と20kgもありました。しかし、テレビはあっという間に薄くなり、今の液晶テレビは5cmほどの厚みしかありません。ところが、ディスプレイは今後さらに薄くなり、今の10分の1程度になるとさえいわれています。そして、それを可能にするのが有機ELです。

「有機EL」のELは「Electro-Luminescence(エレクトロ・ルミネッセンス)」の略。意味は電気発光で電圧をかけると光る有機物、あるいはその有機物が発光する現象自体を指します。この現象や光る素子を利用して作られた電子部品、つまり発光ダイオードがOLED(有機発光ダイオード)です。有機ELを使ったディスプレイをOLEDと呼ぶこともあり、よく有機EL(OLED)と併記されます。

従来の液晶テレビは、電圧を変えると並び方が変わる液晶分子を並べ、そこにバックライトを当ててカラーフィルターを通すことで色を表現します。しかし有機EL(OLED)は、有機材料で作られたディスプレイそのものが発光するのでバックライトが必要ありません。しかも、その有機物は髪の毛の100分の1以下という驚きの薄さ。これにより、厚さ5ミリ以下という驚異的な薄さのディスプレイを作ることも可能になるのです。

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滑らか・鮮やか・軽量化を実現!ガジェットを進化させるOLEDのメリット

有機EL(OLED)の持つ最大のメリットは、前述のように極限まで薄く軽いディスプレイを作れることです。しかし、OLEDの利点はそれだけではありません。

例えば、OLEDは液晶よりもコントラストのはっきりした鮮やかな色を表現することが可能です。液晶ディスプレイは常に裏からバックライトで照らされているため、まるでシャッターを降ろしていても向こう側の光が漏れるように、ディスプレイの黒い部分からもわずかに光漏れが発生してしまいます。しかし、OLEDにはバックライトがなく、1画素ごとに発光する・しないを調整できるので、光漏れのないくっきりした黒を表現できるのです。バックライトがないため、省電力でバッテリーが長持ちするというメリットもあります。

また、液晶ディスプレイでは液晶の層があり、斜めや横から見ると色や明るさが違って見えることがあります。一方、OLEDはどこから見ても同じ色に見える、つまり視野角が広いという長所があります。

ただ、現時点でOLEDは液晶よりも製造コストが高く、低価格なガジェットに搭載されるまでにはもう少し時間がかかりそうです。また、液晶に比べてやや寿命が短い、衝撃に弱い、明るいところでは見えづらい時があるなどのデメリットもあります。長時間使い続けると残像が残る「焼き付き」という現象もOLEDの課題です。

丸めて持ち運べるディスプレイも可能に?有機EL(OLED)活用の未来

OLED

OLEDは、すでにテレビなどの家電や、スマホ、パソコンなどのガジェットに利用されています。薄型化、軽量化が可能なので、特におしゃれなハイエンド(最高級)商品や子ども向けの製品に適しています。OLEDを使用すればスマホを折り畳み式にしたり、薄さを生かしてフロントカメラをディスプレイの下に埋め込み、表からは見えなくしたりするなど、新しいデザインにすることも可能になります。

また、OLEDの鮮やかで滑らかな色表現は、テレビやゲーム機などのエンターテインメントをより楽しくしてくれます。さらに、視野角が広くどの角度からもきれいに見えるOLEDは、多くの人に情報を伝達するためのモニターにも適しています。オフィスのプレゼン用モニターに加え、駅や商業施設のサイネージ、バスや電車、飛行機の中などで使用されるモニターにもぴったりといえるでしょう。

今後、OLEDの薄型化はさらに進むと見られています。薄くて曲げられるという特徴を生かし、紙のように薄いディスプレイや、丸めて持ち運べる大画面のテレビなども開発研究されています。モニター類を部屋に合わせてデザインできるようになり、スペースをいっそう有効活用することも可能になるでしょう。OLEDは私たちの回りにあるディスプレイを大きく変化させようとしています。

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有機EL(OLED)が貢献―映える個性派ガジェットはさらに使いやすく

ブラウン管、プラズマ、液晶、有機EL(OLED)と、技術が進歩するたびに、ディスプレイはより薄く、より鮮やかに進化してきました。テレビ、スマホ、ゲーム機、スマートウォッチ…と、ディスプレイが欠かせないガジェットも日々増えています。OLEDの普及に伴い、幾つかの課題が解決され、低コスト化が実現すれば、さらに多くの電子機器がおしゃれに、そして使いやすくなることでしょう。

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【執筆】ユピスタ編集部
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