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超軽量VRヘッドセットの登場 作業環境の再定義で生産性と安全性に変革が?

2024.3.25

いま、VRヘッドセットが進化を続けています。バーチャル領域におけるシームレスな作業体験のために設計されたこのデバイスは、私たちの作業環境を再定義することにも繋がると言われています。ゲームやエンターテイメントの世界から、オフィスへと活用を広げるVR技術。すでに始まっている仮想空間の活用が、生産性や安全性、快適性にどう影響するのでしょうか。

コミュニケーションの円滑化や生産性の向上もVRで 仮想空間のメリット

VRヘッドセット

近年、VR(バーチャルリアリティー)のビジネス利用が進んでいます。VRは仕事場を、さらには人との距離をも再定義すると言われています。VRはビジネスシーンをどのように変えるのでしょうか。

VR技術に見られるメリットのひとつは、物理的な距離に関係なく空間を共有できることです。これにより、お互いの現在地に関係なく他の社員や顧客と3Dモデルを一緒に見たり、それを一緒に操作したりすることが可能となります。また、リアルな体感の共有もVRの特徴。これにより社員のトレーニングや研修を安全かつ効果的に行えます。
VRの利用はペーパーレスにも繋がり、移動にかかるコストと時間を節約し、環境に対する負担を減らすこともできるのです。

さらに、VRはリモートワークの課題もカバー可能。リモートの欠点は他の人とコミュニケーションが取りにくいことです。一人で働く機会が増えると孤立感や疎外感を覚えたり、会社に対する帰属意識が薄れたりするかもしれません。また、オフィスで働いている時なら、仲間との何気ない会話の中から仕事のアイデアが生まれてくる、ということもあるものですが、一人ではそういう機会を持つこともできません。会社と違って気が散る原因が多くなりがちなことも困りもの。
しかし、VR技術の仮想空間を使って仲間と一緒に働けば、リモートワークのそんなデメリットを解消することができます。

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マイクロOLEDやアイトラッキングとは?作業環境を再定義する最新技術

VRの需要が高まるにつれ、VRヘッドセットも進化しています。これまでのヘッドセットは300〜600gのものが主流でしたが、最近では300gを切るものも出てきました。今、世界最小・最軽量をうたうヘッドセットはわずか127g、卵2個分の重さしかありません。

もちろん、ディスプレイの性能も向上。有機ELを使ったOLEDマイクロディスプレイでは、1つのドットを可能な限り小さくして画素密度を上げることにより、画素間の隙間もほとんどなくなりました。これにより、解像度が高く鮮やかで滑らかな映像を実現しています。

高精度のセンサーを使ったトラッキング技術も進歩しています。頭を動かすとそれに合わせて映像が切り替わる3DoF(Degree of Freedom:自由度)から、今ではヘッドセットを装着した人の移動に合わせて映像が変わる6DoFも開発されました。

さらには、操作する人の手や目の動きをアバターに反映させるハンドトラッキングやアイトラッキングも登場。コントローラーを使わずに指や目線を動かすだけで、直感的にアバターや画面を操作することができます。

通常、私たちが自分の目で物を見ている時は、焦点が合っている部分以外がぼやけて見えます。アイトラッキング機能はそうした「見え方」も再現し、あたかも肉眼で見ているような仮想世界を出現させました。これらの技術が完成・普及していけば、ほとんど現実と変わることのない、むしろ快適な作業環境が実現するかもしれません。

メタバース出勤で働き方が大転換?VRワークプレイスの課題とこれから

VRヘッドセット

ハード面だけでなく、ビジネス仕様に特化したVRプラットフォームも充実しています。バーチャル会議システムの中には、ビジネスアプリなどの既存ソフトと統合できるものがあります。そうしたシステムの中では、自分がこれまでに作ったファイルもそのまま利用可能。会議室に人を集めて紙の資料や、PCとプロジェクターを使って行っていたプレゼンテーションが、仮想空間の内部に展開した3Dモデルを活用して行えるようになれば、現実の世界よりもずっと分かりやすく印象に残るプレゼンができるでしょう。

バーチャル会議サービスの中には、自分のパソコンやキーボードをVR空間に持ち込めるものも。手狭なオフィスや自宅のデスクと違って、仮想空間なら自分にとって都合の良い仕事環境が整えられます。どこにいても、広々とした自分好みの「仮想デスク」が目の前にあれば、仕事に集中できる仕事環境を手に入れられるのです。

もちろん、現在はまだVR機器を購入する際のコストや、利用者の慣れといった課題も残っています。しかし、将来的にソフトとハードの研究・開発が進むにつれ、ビジネスシーンにおけるVR技術の利用はますます身近なものになるでしょう。

VRを使った仮想世界は、リモートワークの課題であったコミュニケーションの問題を解決するだけでなく、仕事をするための環境を、さらには「一緒に働く」という意味さえ再定義し、空間の使い方そのものに変革をもたらします。超軽量化で装着していても疲れないヘッドセットなどの出現によって、メタバースで行われる会議や、メタバースへの出勤が当たり前になる時代もそう遠くないのかもしれません。

VRヘッドセットやツールの進化は世の中をも変える?仮想空間の可能性

進化するVRツールはワークスタイルの可能性を最大限に広げ、作業環境を再定義しようとしています。VRがもたらす先進的でスマートなビジネス空間は、リモートにおける個々の作業効率をアップさせるだけでなく、ワークライフバランスの実現によって生活の質を向上させ、さらには物理的な移動を減らすことで地球環境にも優しい働き方を実現させるのです。

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【執筆】ユピスタ編集部
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