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テレワーク環境が進化中。VRを使ったバーチャルオフィスも登場

2022.3.24

ニューノーマルな時代の中、定着しつつあるテレワーク。その環境をより便利に、より快適にするための様々な取り組みが進んでいます。なかでも近年注目を集めているのが、バーチャルオフィスです。それを支えるツールと、その将来についてご紹介します。

(なお、事務所を構えることなく住所や電話番号などを借りられるサービスも「バーチャルオフィス」と呼びますが、今回は仮想空間に作り上げられる「バーチャルオフィス」を中心にご紹介します。)

テレワーク環境が進化!「ネットに通勤」が現実的に

バーチャルオフィス

新型コロナウイルス感染症対策として、急速に多くの企業が導入を始めたテレワーク。総務省の調査によると、4割近くの人が「テレワーク経験あり」と答えており、今やテレワークは日本でも定着しつつあると言って良いでしょう。

さらにテレワーク経験者のうち8割は、コロナ終息後もテレワークを継続したいと考えているという調査結果も。実際、テレワークを導入してみて「テレワークで十分やれる」と改めて気づいた企業や従業員も多いのでは。政府も感染対策だけでなく、節電効果や地域活性化推進など多くの効果を期待してテレワークを推進していることもあり、今後ますますこの傾向は続くとみられています。

そこで出現したのが今回のテーマとなる「バーチャルオフィス」です。仮想空間のオフィスに自宅から出勤するという、究極のテレワークサービスがすでにスタートしているとのこと。自宅にいながらネットに通勤するなんていうちょっとした革命が、すでに現実になりつつあるのです。

バーチャルオフィスにもさまざまなタイプがある

バーチャルオフィス

「バーチャルオフィス」といっても様々なタイプがあり、それぞれ異なったツールがそれを支えています。皆さんはまず、どのようなものを想像するでしょうか。

まず最初に、いわゆるメタバースのようなバーチャルオフィスを想像する方も多いでしょう。VRで再現されたオフィス空間に、社員それぞれがアバターとなって「出勤」するというタイプ。既に一部で実用化されていて、なかにはロッカーやコーヒーメーカーといった、仕事に直接関係がないものまで再現している企業もあるそうです。「出勤している」「周りにほかの人がいる」というオフィス特有の感覚を共有することで、ほどよく緊張、ほどよくリラックスして、違和感なく働けるんだとか。また気軽なオフィス内での雑談をきっかけに新しいビジネスアイディアが生まれる、なんてリアルオフィスのようなことも起きるでしょう。

一方で、社員だけではなくお客様やビジネスパートナーとのつながりを軸にした、社内外の交流を促すタイプのバーチャルオフィス・ツールもあります。100人規模で入れるバーチャル会場には席次も用意されるという力の入れよう。展示会やウェビナーなどを頻繁に開催する企業向きのツールと言えるでしょう。また沢山の人が参加していても、バーチャル空間内で近くにいる人の声だけが自然と耳に入り、遠ざかると声が遠くなる、といったリアル空間さながらの機能を搭載したツールも登場しています。

他には、社員管理やナレッジウェア、プロジェクト管理に重きを置いたツールもあります。作業の効率化や従業員のマネジメントに重点を置いた、いわゆるHRTechと呼ばれるジャンルのツールです。例えばいま誰が着席しているか、誰がどんなアプリを使って作業しているか、なども分かります。こうしたツールはシステム開発やプロジェクト作業などで効果を発揮します。3Dアバターやメタバースのような臨場感には乏しいものの、これも一種の「バーチャルオフィス」だと言えるでしょう。

バーチャルオフィスがさらに進化する?

バーチャルオフィス

従来のテレワークが持っていた様々な課題をクリアできるのがバーチャルオフィスの特徴ですが、なかでもやはり重要なのは「距離の制約がない」こと。サテライトオフィスやワーケーションといった働き方は確かに一般化しつつありますが、バーチャルオフィスならそれらをはるかに超えた自由な働き方を可能にします。全国どこの地方からでも、移動に支障があるワーカーの方でも、出勤できる訳ですから、地域格差の解消やワークライフバランス、ダイバーシティを実現する起点として注目されるのも納得ですね。

進化し続けるバーチャルオフィスは、「5G」、そしてもっと未来の通信規格「6G」が実現すれば、さらに活動領域と可能性を広げます。バーチャルオフィスは都会と田舎の隔たりどころか国境や次元までも楽々と越え、仮想空間であらゆるビジネスや社会インフラを発展させることができるのです。

もし五感を再現できるレベルのVR・ARが現実になれば、いわゆる「エッセンシャルワーカー」の人々もテレワーク可能になるでしょう。ロボットアームや自動運転の発展に伴い、ロジスティックスでさえ遠隔操作できる時代も夢ではありません。また教育や接客販売なども、オンラインでリアルに対面できれば、同じ空間に居合わせる必要がなくなります。それに医療など、リアルな触覚と精密な技術が必要な場合ですら、遠隔医療が可能な時代がやって来るかもしれません。

こうしたテレワークの未来は、話題のメタバースの発展とも無縁ではないでしょう。これまで絶対に無理だと考えられていた多くの分野で遠隔化や自動化が進み、オンラインで仕事をする人はますます増えるに違いありません。バーチャルオフィスこそが働く環境のメインステージとなる未来は、すぐそこまで来ているのです。

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「人やオフィスとのつながり」を実感させることが、テレワークの課題とされてきました。しかし、ユピスタでもたびたびご紹介しているVR技術は、その課題を解決しようとしています。エンターテインメントでもビジネスでも躍進すると言われるメタバース。紹介したバーチャルオフィスが、今後どのように連携していくのか注目です。ユピテルも、多様化し進化する働き方の未来を見つめながら、VRとの関わりを一層深めていきます。


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【執筆】ユピスタ編集部
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