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メタバースが広げるxR体験。なりたい自分に変身できるバーチャルワールド

2022.2.7

ある世界的IT企業が2021年の暮れに突然社名を変更し、大きな話題を集めました。なぜならその変更は、 もうひとつの別の世界を意味する「メタバース」を事業の核に据えることへの表明だったからです。メタバースはxRサービスの枠を超え、コンピューターの力で現実世界を拡張し、そこに新たな生活の場を作ろうという革命的な概念。今回はメタバースとともに、いよいよ始まる本格的な「バーチャルワールド」の展望についてご紹介します。

メタバースは革命!今までのSNSとは大きく違う

メタバース

メタバースとは、「meta(超越した・高次の)」と「universe(宇宙・世界)」を組み合わせた造語で、オンライン上に構築された”もう一つの別の世界”のことを指します。VR端末をはじめとしたデバイスを使用してそこに入り、自分がなりたい別のキャラクター「アバター」に変身して生活することができる別世界。しかも現実さながらに、エンタメを超えて様々な活動・生活ができるバーチャルワールドなのです。

実はメタバースという言葉自体は20年ほど前からありましたが、恐らく今年、2022年こそが実質的な「メタバース元年」になると言われています。ユピスタでも何度もご紹介してきた通り、VRやVTuber(ブイチューバー)関連のソフトやハードウェア技術は向上し、そして低価格化も進みました。これらVRに関する様々なテクノロジーの進化が、メタバースの実現を後押ししています。

またこういったテクノロジー方面のきっかけと同時に、新型コロナウイルスの感染拡大もその起爆剤の一翼を担っています。ニューノーマルな今、リモートワークが一般化したことによるビデオ通話の拡がりや、これまで以上のECへの傾倒など、生活のあらゆる要素がデジタルへと置き換わっています。メタバースで展開されるようなバーチャルワールドへの抵抗感も徐々に薄まり、普遍的なものとして浸透しつつあります。

メタバースはネットワークを通じて社会がつながる、読んで字の如くSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の一つだと言えますが、しかし単なるSNSでは終わりません。メタバースが革命的イノベーションであると言われるその最大の理由は、「経済活動」の存在です。メタバースは「バーチャル経済圏」と評され、エンターテインメントやビジネスに大きな利益を生み出すと期待されています。それでは一体、どのようなことがメタバースでは起きるというのでしょうか。

メタバースではどんな事が起きるのか

メタバース

仮想空間上に現実とは異なる別世界を作り出し、生活を営む。そこではなりたい自分に変身することができて、現実とは違う生活を体験できる。そんな夢のあるバーチャルワールドがメタバースです。自分の分身である「アバター」が、他人の分身である複数のアバターと同時にエンタメやビジネス、そして人生を左右する「出会い」を体験できます。さらに、そこで起こった出来事が現実世界にも大きく反映してくるのがメタバースの特徴です。

それぞれをご紹介していきますと、まず分かりやすいのはメタバースのエンタメ空間としての側面。なりたい自分になり生活できる楽しみゆえ、言わば毎日が仮装パーティーだと言えるでしょう。もちろんメタバース内では様々なイベントを楽しむことができ、例えば2021年10月に開催された大規模な音楽フェスでは、80名以上のアーティストと5万人以上の観客が参加しました。また映画の世界観をバーチャルで体験できるイベントなども開催され、今までのような与えられた楽しみ方ではなく、イベントへの参加もマルチアングルで自分だけの楽しみ方ができます。メタバースが作る別世界は現実世界の制約を飛び越え、発想次第で無限の楽しみ方ができそうです。

またメタバースは現実世界と同様、ビジネスの現場にも。最先端のビデオ会議システムとしてアバターたちが会議に出席したり、メタバース内で働くための求人も存在しています。またメタバースで重要なのがNFT(偽造できないデジタル資産)や暗号資産(仮想通貨)を使用した経済活動です。従来のVRゲームの世界では、獲得した通貨やアイテムはそのゲーム内でしか価値がありませんが、メタバース内の資産は、実態がなくても現実世界と同じように資産価値があります。NFTは円やドルに換金も可能なため、現実世界でも仮想空間でも、資金を稼ぐ・様々な商品を購入するという経済活動が行なえます。すでにメタバース内ではデジタルアートや音楽の売買、メタバースの土地の売買などが盛んに行われています。

さらに、メタバースは出会いの場として婚活などにも使われるようになるでしょう。すでにメタバース婚なる言葉も登場しており、新しい生活の場では、ビジネスパートナーも、将来の伴侶も、アバター同士のコミュニケーションを通じて探すことができるのです。

このようにメタバースでは、現実世界ではできなかったことを可能にしてくれる力があります。「距離」や「言語」という現実世界の障壁を取り除き、遠隔地や全世界から人々が集まることで、可能性を広げることができます。新たな雇用の創出から、経済活動における地域格差の解消にも貢献すると期待されています。まさしくダイバーシティー&インクルージョンの課題をも解決する可能性があり、よりよい社会を実現するためのプラットフォームとしても注目されているのです。

xRを日常に。メタバースとともに描く夢

メタバース

アメリカのあるコンサルティング会社によると、メタバースの世界市場規模は今後8年間で17倍に膨れ上がると予想されています(2020年に約5.5兆円。2028年には約95兆円になると予測)。将来的には920兆円まで拡大する可能性があるとされ、これはアメリカの国家予算の倍近くに相当します。これだけの経済活動が、前述のように格差是正や雇用創出に貢献するとなれば、極めてソーシャルグッドな革命をもたらすに違いありません。

すでに多くの企業が高い志を持ち、このxRを世界の日常にすべく参入を意欲的に推進。xRデバイスの研究開発に始まり、各種アプリやサービス、データ通信関連の企業が参入を表明しています。

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またVTuberやキャラクターなど、エンターテインメントの世界はますますの盛り上がりを見せるでしょう。メタバースはアバターが生活する新しい生活空間です。なりたい自分になれる世界。アバターこそが主役です。企業のみならず、個人も積極的に参加し、多様なパーソナリティーやカルチャーが登場することでしょう。

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さらにVRゴーグルやハプティクス(触覚)技術など、ユピスタでもすでにご紹介している様々なテクノロジーが仮想世界の臨場感を演出してくれるはず。映画のような未来が一気に訪れる可能性が高くなってきました。

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メタバースが一般的なものになるのは、そう遠い将来ではありません。多くの人がメタバースに自分の土地や財産を持ち、エンターテイメントを楽しむようになるに違いありません。将来的にはさまざまなメタバースが連携して、さらに大きな仮想空間を作っていくと考えられています。xRで過ごす日常と現実世界が逆転する人だってそのうち出てくるかもしれません。私たちにとって未体験の革命が、いま起きようとしています。

メタバースが作り出すバーチャルワールドに期待

メタバースの展開によって広がる新たな未来。ユピスタも、VR/AR/xRの世界やVTuber、ハプティクス技術などにいちはやく注目してきました。テクノロジーの描く理想の未来像「メタバース」。ユピテルもVRをはじめとした最先端テクノロジーで、ソーシャルグッドな未来の実現に貢献していきます。


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【執筆】ユピスタ編集部
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