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STEM教育からSTREAMへ。Society5.0を支えるロボティクス教育

2021.11.30

STEM教育が更なる発展を見せています。科学、技術、工学、数学の英語の頭文字を取った「STEM教育」。学校教育でのパソコン活用やプログラミングは、今や当たり前となりました。Society 5.0と言われる情報社会の進化は、それを担う子どもたちに更なる期待を寄せています。豊かな感性(Art)に加え、ロボット(Robot)との関わりを持つ知性を求めているのです。STEM教育にArtとRobotを加えた、注目の「STREAM教育」について解説していきます。

アニメのような未来社会に羽ばたく子どもたちへ

STEM教育

「Society 5.0(ソサエティ5.0)」をご存じですか?日本が目指すべき来るべき未来社会を、政府は次のように定義しています。「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」。これがSociety 5.0です。その大きな特徴は、「AIやロボットにできることはやってもらう」ということ。そんな街にロボットが当たり前に存在するようになった未知の社会を生き抜き、発展させることを期待されているのが、今の子どもたちです。

例えば、インターネットで欲しい情報を探すとき、そばにいるロボットやAIが最適な情報をどんどん答えてくれるなら、自ら検索する必要がなくなるかもしれません。車ももはやロボットとして、自動車旅行においてもいったんカーナビでルート検索しておけば、最適な観光地を次々に案内してくれるでしょう。運転も自動化で任せられます。農業も建設業も接客業もあらゆる仕事をロボットやAIがこなせるようになります。これからの子どもたちが生きる未来世界は、ロボットやAIの存在無くしては語れません。まさにアニメのような世界です。そのうえさらに子どもたちがロボットやAIの能力を引き出せれば、作業効率は上がり、セキュリティは向上し、交通事故も減り、地球にも優しい未来を作り出すことができるはずです。

一方でそれが実現したら、人間はいったい何をすればいいの?と思う人もいるかもしれませんね。でも考えてみれば、今の世界だって50年前と比べたらうんと楽になっています。家事も移動も、農業も建築業も機械化が進み、生活ははるかに楽になりました。だからといって人間にやることがなくなったかと言うと、全然そんなことはありませんよね。

新しい技術が生まれるたびに、子どもたちにとって学ぶべきこと、学びたいことが増え、むしろ時間が足りないくらいに忙しくなるかも知れません。私たち大人もそれは同じです。今以上に忙しく、ワクワクする日々が待っているに違いありません。

ロボットを動かすワクワク感が子どもを成長させる

STEM教育

そんな未来を実現するためにもっとも必要なものは、間違いなく「教育」だと言えるでしょう。そのような未来社会をつくり、支え、担っていける人材を育てなければなりません。そこで政府が力を入れているのが、STEM教育STREAM教育です。STEM教育とは以前にもご紹介しましたが、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を連携させて学ぶこと。STREAM教育とは、さらにArts(芸術)、Robot(ロボット)を加えたものを指します。

STEM教育、STREAM教育はすでに多くの学校で始まっており、なかでもSTREAM 教育を効率的に行える、プログラミングやロボティクスが重要視されています。そこで子どもたちは、ロボットにどういう動きをさせたいかを考えながら科学や工学を学び、技術と芸術性を発揮してロボットを作り、失敗して新しい方法を模索するうちに発想力、創造力、そして友達と協力することを学びます。

実はそれが、Society 5.0社会では一番大切なことになります。自動化できるものは自動化された社会では、人間にしかできない発想力、創造力がもっとも重要。ただ覚えるだけの勉強ではなく、自発的に学び、クリエイティブな発想ができること。STEM教育、STREAM教育が目指しているのは、そのような人材を育てることです。

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教育の成果を披露!プログラムコンテスト

STEM教育

STEM教育、STREAM教育によって、子どもたちに広がりを見せるプログラミングやロボティクス。それを後押しする、さまざまな「プログラミングコンテスト(プロコン)」が、各地で開催されています。ユピテルも、小中高生を対象にした静岡県主催のプログラミングコンテスト「第3回 ジュニアプロコン in 静岡」に協賛。本コンテストの目指すところは、やはり、未来を支える次世代人材の育成です。ゲームでもロボットでも、プログラムを使った作品であれば形式を問わない、とても間口の広い大会で、令和元年度から開始され、今年で第3回目の開催となりました。

過去の受賞作品はというと、たとえば第2回において「小学生ソフト部門」の最優秀賞とユピテル賞を受賞した作品は、小学6年生による「ロケットタイピング」。また「高校生ハード部門」で最優秀賞を受賞したのは、高校3年生による「学生向け海洋探査プラットフォーム KUMA・KITAKAMI・OI」。こちらは自動運行する小型船ということで、まさにロボットと言えるかもしれませんね。

身近な発想から生まれたワクワクするような作品が、毎年いくつも誕生しています。今年は、10月31日に、プロコン最終審査会&授与式がオンラインで行われました。STEM教育、STREAM教育の成果を披露する場として、これからもどんな作品に出会えるか期待したいですね。

これからの時代に役立つ技術を子どもに

Society 5.0実現に向け、子どもたちには、コンピュータはもちろん、AIやロボットなどを活用できるスキルがますます求められていくでしょう。しかしそれ以上に必要とされるのは、自由な発想力や想像力です。ユピテルでは「ジュニアプロコン in 静岡」に協賛して未来を担う小中高生の育成をこれからも応援するとともに、見守りロボット「ユピ坊」やバーチャルペット「Juno(ユノ) 」をはじめ今後に向けたロボット製品をこれからも創造していきます。


【執筆】ユピスタ編集部
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