1981年から1996年に生まれたミレニアル世代、1997年から2012年に生まれたZ世代に続いて、2010年から2025年に生まれた(あるいは生まれる)世代を「アルファ世代」と呼びます。
ミレニアル世代を親に持つアルファ世代は、ロボティクスやAIとの共存が当たり前になると考えられています。
ミレニアル世代を親に持つアルファ世代でロボティクスが当たり前になると考えられる背景の一つとして、2020年からの小学校でのプログラミング教育の必修化が挙げられます。
小学生や中学生向けのプログラミング教育には、PCやタブレットを使う「ソフトウェアプログラミング」と、ロボットキットを使う「ロボットプログラミング」があります。初めてプログラミングを学ぶ小学生にとって、言語を覚えずともコンピュータに命令できるロボットプログラミングは人気があります。
ロボットプログラミングは、まずロボットキットを組み立てて、自分だけのロボットを作ります。ロボットが完成したら、タブレットを使ってその動きを組み合わせるプログラミングをします。子どもたちは自分の作ったプログラム通りにロボットが動くのを楽しむことができます。
ロボットプログラミングはレベルに応じて複雑な動きを実行します。たとえば条件分岐などを加えると、ロボットに複雑な動きをさせることが可能となるのです。
このようにロボットとプログラミングが身近な存在となるアルファ世代は、2025年には世界全体で20億人に達することが見込まれています。
ロボットを身近な存在として捉えるアルファ世代が、ロボティクスをどのように進化させるのか興味深いところではないでしょうか。
労働力不足をカバーするため、あるいは業務効率を高めるためにロボティクス業界は成長を続けています。
そしてすでにロボットが活躍している業界も増えてきました。
たとえば物流倉庫では、AIを搭載した自動運搬ロボットが作業効率の向上に貢献しています。
その具体的な動きとしては、サーバーから受信した顧客の注文内容に沿って、倉庫内の商品をピックアップし運搬します。さらに走行中は赤外線センサーによって人やモノを検知し、倉庫内の間取りも自動的にマッピングすることができます。
警備などのメンテナンス業界でも、ロボティクスの技術が活用されています。
人間が遠隔操作するアバターロボットがビル内を警備し、本体に搭載された2本のアームでエレベーターを呼び出すこともできます。
また、AIが自動学習することによって、頻繁に利用する定型動作の自動化も可能となっています。
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農業の分野では、農薬を散布するドローン型のロボットがあります。
ドローンにはカメラが搭載されており、その撮影画像を分析して害虫がいる場所を絞り込んだ効率的な農薬散布ができます。
このように様々な業界でロボティクスの活用が進められ、ロボティクス業界は今後もさらに成長することが見込まれています。
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プログラミング教育の必修化により、アルファ世代にとってロボットやプログラミングはより身近な存在となります。
その結果、これまでよりも多くの人材が、ロボティクス業界に参入することが期待できます。
ロボティクス業界は、アルファ世代が支えとなることで、ますます大きく成長していくことでしょう。
【執筆】ユピスタ編集部
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