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0.01秒の戦い!アスリートを支えるスポーツトレーナーとテクノロジー

2023.1.23

私たちに大きな感動と興奮をもたらすトップアスリートたち。そんな彼らの活躍の裏側には、チームとして選手を支える「人」と「技術」があります。いったいどんな技術がどのように活用されているのでしょうか?日々進化するスポーツシーンの舞台裏に迫ります。

アスリートを支えるスポーツトレーナー。個人競技もチーム戦!

わずか0.01秒や1mmを競う熾烈な勝負の世界で戦い続けるアスリートたち。しかし、彼らはひとりで戦っているわけではありません。監督やコーチはもちろんですが、裏方として働くさまざまなスタッフが彼らを支えています。そのうちの一人が「スポーツトレーナー」と呼ばれる人たちです。

スポーツトレーナーの仕事は多岐にわたります。細かく分けると、体調管理やケガの予防を行い、選手の体づくりを指導するフィジカル(コンディショニング)トレーナー。ケガの処置を行うアスレティックトレーナー。身体機能を高める指導を行うストレングストレーナー。マンツーマンで指導するパーソナルトレーナー、精神面をサポートするメンタルトレーナーなどが挙げられます。さらに、整体師や柔道整復師、管理栄養士やドクターもアスリートの活躍を支えています。
こうしたスタッフとは、チームが契約している場合もあれば、選手が個人で契約を結んでいる場合も。今やスポーツは、個人競技であっても「チーム戦」となりました。

そして近年、スポーツ選手を支える「チーム」に新たな助っ人が登場しました。それが、スポーツ×テクノロジー、「スポーツテック」です。

0.01秒速く、1mm長く、その先へ!AIが担うスポーツマネジメント

スポーツトレーナー スポーツマネジメント

AIというのはもともと、特定の目的のために様々な条件を調整し、最適な解を導き出すという作業に特化したシステムです。それを受けて現在では、試合の行方を左右するようなAIを搭載したソフトが各競技で開発されています。

例えば、バレーボールの試合中、タブレットを手にした監督が選手に指示を出している場面を見たことがありませんか?あのタブレットにはデータ分析の専門スタッフであるアナリスト(分析家)から、戦っている最中の試合に関する分析データがリアルタイムで送られています。その試合におけるアタックの決定率や、スパイクのコース、セッターの配球などがタブレットに表示され、監督はそれを見ながら指示を出します。AIなら、サーブを打つ時点で誰がボールを拾い、セッターがどこにトスを上げるかということも高確率で予測可能。このソフトは2008年の北京オリンピックで22チーム中20チームが使用しており、バレーボールではすでにこうした戦い方が「世界標準」となっています。

また、スポーツテックはサッカーでも大活躍。試合の分析にはひとつひとつのプレーを記録することが不可欠ですが、すべてのプレーを手動で入力すると20時間以上かかります。しかし、ピッチ上の全選手と審判、ボールの動きを機械的に追尾し、データ化するシステムが登場しました。さらに、水泳ではAR(オーグメンテッド・リアリティ=拡張現実)ディスプレイが内蔵された最新ゴーグルが話題に。一見すると普通のゴーグルのようですが、なんと、泳いでいる最中のタイムや距離を選手自身が見ることができるそう。

日本人は、競技によっては海外の選手と比べて体格面でのハンデを持つ場合があります。テクノロジーを駆使して導き出されたデータは、そうしたハンデを埋める一助になるかもしれません。

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AIの進化が怪我を防ぐ?スポーツトレーナーとスポーツテクノロジー

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スポーツテックは試合中だけでなく、選手たちの日々の生活をも支えます。センサーで入手した情報を数値化するセンシング技術は、体にあったウエアやシューズ選びをサポートし、体に装着できる超軽量のデバイスやウェアラブル端末は、健康管理や効果的な練習に活用され、怪我の予防にも役立ちます。スポーツテックは経験や主観だけでなく、客観的なデータに基づくコーチングを実現しました。

スポーツを楽しむ私たちも、日々スポーツテックの恩恵を受けています。例えば、より楽しく分かりやすい試合映像を可能にした新しいテクノロジーなどがそれにあたります。
水泳の世界大会でコース上にバーチャルで表示される、選手の国旗や名前、動く「世界記録ライン」をご存じでしょうか。これは最新のVR技術によるものです。会場の至る所に設置されたカメラのおかげで、リアルタイムに、様々な角度から選手のプレーを見ることもできます。いずれはVR技術によって、自宅にいてもまるで会場で試合を見ているかのように観戦することさえ可能になるかもしれません。

実は、日本に本格的なスポーツテックが導入されたのは比較的最近なのです。スポーツアナリストの登場に至っては、10年程度の歴史しかありません。海外の大きなクラブでは複数のスポーツアナリストを抱えているのが当たり前になりつつありますが、日本はまだまだこれから。
しかし、スポーツテックの市場規模は今後急拡大することが予測されています。日本のアスリートをサポートするチームに、スポーツアナリストたちが参加する日もそう遠くないのかもしれません。

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スポーツの進化はテクノロジーと共に

スポーツトレーナーや最新テクノロジーは、いまや世界中のアスリートたちを支えています。スポーツの映像を見る時、そこで利用されているテクノロジーに注目すると新しい発見があるかもしれませんね。テクノロジーの進化に伴って、トレーニングの方法も、選手の戦い方も、そして私たちのスポーツの楽しみ方も変わっていくことでしょう。


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【執筆】ユピスタ編集部
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