ユピテルが提案する、ライフスタイルを豊かにする情報コラム

ロボットが担うスポーツトレーニング!バレーボールの熱狂を加速させるテクノロジー

2023.10.30

近年のスポーツを支えているものの一つに様々なテクノロジーがあります。試合の分析に始まり、選手のトレーニングやケアなど、その範囲は年々広がっています。今回は、その中からバレーボールのトレーニングを支えるテクノロジーについて紹介します。身長の高さが勝利への重要なポイントとなるバレーボールの世界では、日本選手を後押しするためにどんな技術が開発されてきたのでしょうか。

身長差をITでカバー!日本のバレーボールにおける最新テクノロジーの重要性

バレーボール テクノロジー

2023年、日本バレーボールの男子チームが半世紀ぶりに国際大会でメダルを獲得し、大きな話題となりました。2024年に開催されるパリ五輪を目指した予選大会でも、世界の強豪を相手に熱戦を繰り広げる日本チームの健闘が注目を集めましたね。

こうした国際大会を見ていると、どうしても目につくのが日本人選手の「小柄な体格」です。その年によって多少の違いはあるものの、世界ランキングの上位チームは男子選手の平均身長が198cm、女子は188cm前後で2mを超える選手もざら。これに対して日本選手の平均身長は男子が188cm、女子は175cm前後。世界とは10cm〜15cm近くの差があります。バレーボールにおいて高身長が有利なことはいうまでもありません。日本はこのハンデを乗り越えるため、様々な戦略を立ててきました。それを支えているものの一つが最新テクノロジーなのです。

バレーボールの試合で、監督がiPadを手に指示を送る姿はすっかりお馴染みとなりました。バレーボールはベンチに電子機器等を持ち込むことや、それを使って情報を共有することが許可されている数少ないスポーツなのです。試合中に最新の技術を駆使してプレーを分析し、リアルタイムで戦略を立てるいわゆる「ITバレー」は今や世界標準。日本がこのような戦い方に注目したのは2000年代の初期頃で、本格的な活用を始めたのは約10年前のことです。今や日本チームのIT技術は世界トップのレベルと言われるほどに成長しました。

AIとITが試合中に威力を発揮!今やバレーボールに欠かせないデータ分析とは

日本を含む多くのチームが導入しているのは、イタリアで開発されたバレーボール専用のアプリケーションソフトです。情報活用の専門家であるアナリストは、試合を見ながらこのソフトにプレーやボールの位置など、あらゆるデータを入力することにより、選手ごとのアタックやレシーブの成功率、プレーの傾向などをリアルタイムで分析します。これらのデータはベンチに送信され、それを監督がリアルタイム、あるいはタイムアウト時に確認し、次の戦略を立てるための指針にします。当初はWindows専用のソフトでしたが、手軽にiPadで見られるようになり、一気に普及が進みました。

試合の映像が再生できるアプリも活用されています。映像の中からある特定のプレーだけを見たい場合、これまでは早送りや巻き戻しを繰り返して探さなければなりませんでした。しかし、このアプリを使えば、例えば「ある選手のアタックだけ」を一度の操作で検索し、まとめて再生することも可能です。

こうしたITバレーのさらなる進化を促すものとして期待されているのがAIです。例えばアナリストの代わりにAIが自動画像認識機能を使ってソフトに自動入力すれば、アナリストは入力以外の仕事である分析に注力することができます。また、AIによる「リアルタイムの未来予測」にも期待が寄せられています。とりあえずのゴールに設定されたのは「相手チームのトスがどこに上がるかを予測すること」で、現在60%の確率で予測可能になったそう。この取り組みは実戦使用を目指して継続中です。

コートにロボット?バレーボールのトレーニングに活用されるスポーツテック

バレーボール テクノロジー

最新のテクノロジーは選手の健康管理やトレーニングでも活躍しています。例えば、小型のウェラブルデバイス(身に着けられるIT機器)を使い、走行距離や跳躍回数、高さなどをモニタリングすることで、自分のプレーが持つ特徴を知り、トレーニングに活用できます。

VR(仮想現実)技術によるイメージトレーニングも注目されています。データさえあればどんなプレーでもVRで再現できるため、すでに一部のチームでは場所を選ばないトレーニングとしての活用が始まっています。日本が蓄積してきたデータを一元化する試みもスタート。データの一元化は長期的なスパンで情報を分析することにもつながるため、試合だけでなく練習中の事故などを防ぐ効果にも期待が寄せられています。

また、日本チームのコートには世界でも珍しい「ブロックマシン」なるロボットも登場しました。2本の腕を持つ3台のロボットが、床に敷かれたレールの上を高速で左右に移動し、遠隔操作によって様々な高さのブロックを繰り出します。移動速度は人間よりも早く、始動から0.5秒でブロックが出せるそう。本体は航空機にも使用できる強度のアルミニウムで作られていて、手先には人の手首や指のしなりを再現できる素材が採用されています。

このロボットに試合や練習のデータを入力することで、3mを超えるトップ選手のものを含む無数のブロックが再現できます。日本選手が身長差をものともしない善戦を続けているのは、こうしたテクノロジーに支えられた技術の賜物なのかもしれませんね。

☆あわせて読みたい
0.01秒の戦い!アスリートを支えるスポーツトレーナーとテクノロジー
スマートウォッチにスマートリング、進化したウェアラブル端末の今と未来
驚愕の身体拡張!身体マーカーとモーションキャプチャー
自動運転実現に必要不可欠なリモートセンシング技術、LiDARとは

バレーボールがスポーツ界に波及させる―スポーツ×テクノロジーの未来

ITとバレーボールは相性が良く、今では世界中のチームが競って最新テクノロジーを取り入れています。こうした技術は野球やサッカーなど、他のスポーツにも影響を与えてきました。スポーツをさらに盛り上げ、より面白く魅せるスポーツテックの今後に期待が集まります。

ユピテルは、バレーボール国内トップリーグ「Vリーグ」に参戦中の鹿児島県初の男子バレーボールチーム「フラーゴラッド鹿児島」をユニフォームスポンサーとして応援しています。

バレーボール テクノロジー

ユピスタの更新情報をはじめ、ユピテルの最新情報をフォローしよう!
    Yupiteru_ch Yupiteru Yupiteru


【執筆】ユピスタ編集部
ユピスタ (Yupiteru Style) は、ユピテルが運営するテクノロジーやライフスタイルを扱う情報コラムサイトです。日々の暮らしをもっと面白く、もっと安心・安全に過ごすためのさまざまな情報を発信しています。