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驚愕の事実!こんなこともできちゃうの?ジェネレーティブAIが今できること

2023.4.10

近年、話題になっているジェネレーティブAI(生成AI)。アートの世界をより身近なものにし、革新的なアイデアを生み出す新しい技術として注目されています。とはいえ、まだまだ解決すべき課題も。ジェネレーティブAIにできること、できないこととは?ジェネレーティブAIを楽しく上手に活用する方法を考えます。

ジェネレーティブAIってどんなもの?その驚くべき性能とは

ジェネレーティブAIとは、学習した大量のデータを使用して、与えられた指示に沿った、まったく新しいコンテンツを作成する技術です。あるIT系大手調査会社が、2022年の今後注目すべきテクノロジーとしてジェネレーティブAIの名を挙げたことから、一気にブームとなりました。

ジェネレーティブAIが生成できるコンテンツには、文章やコード、絵、音楽、動画など、様々なものが含まれます。ある文書を短く要約したり、自分の書いた文章の続きを書いてくれたり、白黒写真に色を付けたり、クラシック音楽をジャズに変換したり。与えられた1つの短いフレーズからオリジナルの曲を作り上げることさえやってのけます。少し前、「空を飛んでいる猫」「ゴッホ風のモナ・リザ」など、短い指示(“呪文”と呼ばれます)を送ると、その通りの絵を描いてくれる画像生成AIのサービスが、あるAIチャットbotサービスで始まり、流行したことをご存じでしょうか。AI小説やAIアートのコンテストはすでに始まっていますし、ジェネレーティブAIを新しいツールとして使うクリエイターも増えています。

なお、ジェネレーティブAIの中でも、デザインに特化したものはジェネレーティブ・デザインと呼ばれ、ビジネスの世界での活用が進んでいます。この分野では建物のレイアウトからアパレルデザイン、ロケットや自動車のエンジンデザインまで、AIでデザインを生成した商品が、毎日生み出されています。ある調査では、ジェネレーティブAIの市場は、今後年平均30%以上の成長を続けていくと予想されています。

画像生成AIにAI小説。生成AIが急速に広まった理由はその面白さ!

ジェネレーティブAI

ジェネレーティブAIが人気になる理由のひとつは、その文句なしの面白さです。前述のAIチャットbotサービスには、短期間で200万人を超えるユーザーが登録し、1カ月に3000万枚もの画像が生成されています。特別な努力と才能が必要だと思われていたイラストや小説を書くなどの楽しみが、多くの人にとって身近なものになりました。ジェネレーティブAIは、「アートの民主化」を実現したと言えるかもしれません。

また、多くのクリエイターにとって、ジェネレーティブAIの活用は工数やコストの削減につながります。人間が何時間も何日もかかってアイデアを1つ出す間に、ジェネレーティブAIは何十ものアイデアを出すことができます。しかも、条件が変わっても即座に対応可能。その分、人間は時間や費用をより効率的に使い、多くの可能性を検討できます。さらに、AIは疲れたりスランプに陥ったりしないので、作品の質を維持し続けることができます。

加えてジェネレーティブAIは、時に革新的なアイデアも生み出します。私たちは、自分でも気づかないうちに固定観念やクセに捉われているものですが、AIにはそれがないので、人間には思いつかない方法で条件をクリアし、あっと驚くような作品を生み出す可能性があります。ある大手のスポーツメーカーは、ランニングシューズの新たなデザインを考案するために、ジェネレーティブAIを活用しました。条件は「木の根の構造を応用すること」。その結果、クッション性と安定性に優れた革新的な格子状のデザインを持つシューズが誕生しました。

AIにできないことや課題とは。最終的な判断を下すのはリテラシーを持つ人間

ジェネレーティブAI

ジェネレーティブAIは、上手に使えば様々なメリットがありますが、課題もあります。1つはジェネレーティブAIが生成したものに関する著作権などの法的な問題です。さらには仕事が奪われることや、作風をAIに真似られることを不安に感じるクリエイターもいます。また、倫理的な問題も。ジェネレーティブAIに人間のような先入観はありませんが、逆に、人間なら絶対にやらない倫理的ミスをおかすこともあり得ます。例えば、取り込んだ学習データの中に含まれている偏見や差別的な意識を、そのまま作品に反映させてしまうかもしれません。

そして、もっとも懸念されているリスクと言えるのが、フェイクコンテンツ(偽物・まがい物)の問題です。学校で宿題として出した作文を、生徒が自力で書いたのか、ジェネレーティブAIに作らせたものなのか、見分けることはもはや難しいでしょう。もっと言うと、ジェネレーティブAIを使えば本物そっくりな有名人や政治家のフェイク動画を作り出すことも容易です。そのようなことが横行すれば、社会を動揺させるような偽情報や、なりすまし問題が増加するかもしれません。

こうした課題をクリアするには、リテラシー(物事の基礎知識)を持つ人間が、指示や条件提示の仕方を工夫し、最終的な判断を行うことが必須となります。私たちがスキルや倫理観を向上させることで、ジェネレーティブAIは活躍の幅を広げ、日々の生活を楽しく便利なものにしてくれるでしょう。

学習によって精度が上がるディープラーニングは、楽しむことも技術革新の糧

ジェネレーティブAIにはいろいろな楽しみ方があります。楽しみながらテキストや画像を生成するアプリやツールを使っていくうちに、浮き彫りとなる問題点や改善点も多いことでしょう。
まだまだ登場したばかりの新しい技術。これからの進歩を楽しみにしたいものですね。

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【執筆】ユピスタ編集部
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