最近、店頭や広告で目にするスマホが少しずつ大型化していることにお気づきでしょうか。周囲にも以前より大きなスマホを持つ人が増えているかもしれません。多くのガジェットが薄く小さくなっていく中で、なぜスマホは大型化しているのでしょうか。また、大型スマホを持つメリット・デメリットは何なのでしょうか?
「大型化しつつあるスマホ」の背景にあるテクノロジーの進化とニーズの変化、さらには大型スマホの上手な使い方を考えます。
NEW

NEW

最近、店頭や広告で目にするスマホが少しずつ大型化していることにお気づきでしょうか。周囲にも以前より大きなスマホを持つ人が増えているかもしれません。多くのガジェットが薄く小さくなっていく中で、なぜスマホは大型化しているのでしょうか。また、大型スマホを持つメリット・デメリットは何なのでしょうか?
「大型化しつつあるスマホ」の背景にあるテクノロジーの進化とニーズの変化、さらには大型スマホの上手な使い方を考えます。
日本に初めて携帯電話が登場したのは1985年とされています。自動車車載型電話の進化形として登場した当時の肩掛け式「携帯」電話は、ショルダーバッグほどの大きさで重さはなんと約3kgもありました。しかし、その6年後の1991年にはポケットに入る大きさの「超小型携帯電話」が登場。そしてインターネットやカメラ機能が搭載されながらさらなる小型軽量化が進み、ついに2008年、片手に収まるコンパクトで多機能なスマートフォン(スマホ)へと変化しました。
ところが、せっかく小さくなったスマホが最近は大型化しています。サイズが6インチ(対角線が約15cm)以上というスマホも珍しくありません。例えば2025年9月に発売されたモデルのiPhoneのは大きさは6.9インチ(16.3cm×7.8cm)ですし、さらに折り畳み式で開くと8インチ(約15cm×15cm)になるスマホも登場しています。
このようにスマホが大型化しているのはなぜなのでしょうか。その理由のひとつとして挙げられるのが現代のスマホは多様なニーズに応えることが求められている点です。インターネットが普及した今の時代、スマホは単なる連絡手段といえなくなっています。むしろ電話やメッセージの送受信はごく一部の機能に過ぎず、写真を撮る、本や漫画を読む、ゲームをする、音楽や動画を視聴する、商品やサービスの決済をするなど、それぞれの用途に沿ったアプリを使うことで、1台のスマホがいろいろな役割を担うようになりました。
このような多様化が加速すると複数のカメラや大容量バッテリー、高性能CPUによる発熱を抑える冷却装置など、多くの部品を搭載する必要が生じてきます。企業努力によって必要な部品の小型化・薄型化が進んではいますがやはり限界があり、結果としてより広いスペースがスマホ内部に必要とされ、最近のスマホはサイズが大きくなってきているのです。
★あわせて読みたい
・デバイスを探すってなに?紛失したスマホの位置情報を探せる機能とは
・ストレージとは?SSDとは?いま注目される記憶媒体の進化
・AIを支えるコンピュータの頭脳!CPU、GPU、DPUは何が違う?

大きな画面のスマホにはユーザーにとってさまざまなメリットがあります。例えば動画やゲームを楽しむなら、小さな画面より大画面のほうが、はるかに臨場感があり、細部まで鮮明で迫力のある映像を楽しめます。また、電子書籍が普及するにつれ、スマホで本や漫画を読む人も増えてきました。この場合も大きな画面のほうがずっと見やすいですよね。大きなスマホなら画面を拡大した時も、より多くの情報を表示させることができます。
スマホを使ってネットショッピングをするときも、大きな画面で商品のきれいな画像を見るほうが楽しいですし、細かいところまで確認できるので「安心して買い物ができる」という方も多いでしょう。写真撮影やSNSへの投稿を趣味にしている方にとっても、画面が大きければ撮った写真や動画のチェック・修正が楽に行えます。さらには、地図を見たりナビ代わりに使ったり、ウェブサイトを閲覧するといった際も、スマホの画面は大きいのに越したことはありません。
さらに、最近はパソコンを持たずにスマホだけで書類作成や学校のレポート課題を完結させるという方も増えています。そうした人にとって画面は大きいほど操作しやすく、ミスタッチも減ってスムーズに作業を行えるでしょう。
また、大きなスマホは大抵の場合、大容量バッテリーが内蔵されていてより長く使用でき、カメラやCPUも高性能なものが使われていることが多いので、写真が美しいうえに操作も快適です。
★あわせて読みたい
・スマホを覗くとそこはテーマパーク!ARアプリやゲームが拡張するリアルな世界
・スマホにカーナビ、小さくてもキレイな有機ELディスプレイ、AMOLEDとは
・写真の背景を消す!スマホアプリの写真編集技術はぼかしから消しゴムへ

きれいで見やすい画面と快適な操作感で使いやすさがあるとはいえ、大型スマホにはデメリットもあります。まず、大型スマホはどうしても価格が高くなりやすい点が挙げられます。また、スマホを普段からお財布代わりに使いたい人にとって、大きなスマホは持ち歩きや出し入れの観点から、やや不便だと感じるかもしれません。重い大型スマホは、うっかり落としてしまうと衝撃が大きいため、故障リスクが高くなるともいわれています。
手が小さい人にとっても、大きいスマホは扱いにくいものです。日本で広く定着しているフリック入力は海外でほとんど使われていない操作方法なので、片手で行うフリック入力が必然的に少数派となることもスマホが大型化している一因となっているかもしれません。世界的に見れば体の大きくない日本の人々にとっては、スマホが大きくなって指が届かなくなると、キーボードの表示方法を変えたり、両手入力に切り替えたりする工夫が必要でしょう。
さらに、長時間にわたって操作し続けていると、よく使う指やスマホを支えている指に痛みやしびれが出る、いわゆる「スマホ指」を引き起こしている可能性もあります。
大型スマホの購入を検討しているのであれば、こうしたデメリットと見やすさや操作性とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
大きなスマホを選ぶ場合は特に、操作時にはスマホを両手で持つ、親指以外もできるだけ使うなどの負担軽減を心がけましょう。また、スマホアクセサリーを使うことも対策のひとつになります。
例えば、指を通してスマホをホールドするスマホリングやスマホバンド(スマホベルト)などのアクセサリーを活用して手指の負担を減らしたり、落下を防ぐための手首に掛けるハンドストラップ(リストストラップ)、肩に掛けるスマホショルダーなどを使用したりするのもおすすめです。なお、スマホアクセサリーはデザインや素材によってワイヤレス充電ができなくなるものもあるので選ぶ際には注意しましょう。
★あわせて読みたい
・リチウムイオン電池の寿命 スマホや電気自動車のバッテリー劣化を防ぐ使い方とは
・ワイヤレス充電って便利? 置くだけ、くっつく、非接触充電のメリットとデメリット
今後は5G・6Gといった通信技術や、スマートウォッチなどのウェアラブル端末が一層普及し、通話やメッセージを送る際もスマホは手に持たずカバンの中…といったことが当たり前になっていくかもしれません。そうなるとスマホはもっと多様なニーズに応える「ガジェット」となり、暮らしをスマートに進化させながら便利さと楽しさを自然に広げてくれるでしょう。スマホの未来は楽しみではありますが、スマホを選ぶときは使い方やよく使う機能を考え、自身に合ったサイズを持ち歩きたいものです。
★あわせて読みたい
・5Gエリア拡大中!いまさら聞けない5G通信の現在と未来
・テクノロジーの未来を握るのはバッテリー?蓄電技術のこれまでとこれから
※iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。iPhoneの商標はアイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。 TM and © Apple Inc. All rights reserved.
LIFESTYLE
個人情報の詰まったスマートフォンは、紛失すると最も困るものです。万一紛失してしまった場合、まずは「デ...
TECHNOLOGY
様々な画像を映し出すディスプレイは日々進化しています。液晶から有機ELへ。さらに、最近では「AMOL...
LIFESTYLE
繰り返し使えるリチウムイオン電池は、スマホから人工衛星まで、私たちの周囲にある様々なものに使われてい...
TECHNOLOGY
充電ケーブル不要のワイヤレス充電は、今やスマホだけでなくスマートウォッチ、タブレットやイヤホンなど...