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フォークリフトにドライブレコーダー?DX推進やサプライチェーンを見守るビジネスの目

2025.5.12

フォークリフトは、現在の物流業界において重要な役割を果たしています。その安全性を支える要素の一つが、フォークリフト専用ドライブレコーダーです。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にも貢献し、ビジネスの効率化と透明性の向上が期待されているフォークリフト専用ドライブレコーダー。本記事では、その必要性と利点について解説します。

フォークリフトにドライブレコーダーがなぜ必要なのか?

フォークリフト

フォークリフトとは、前方の2本の爪(フォーク)を使って荷物を運ぶ荷役自動車です。日本産業車両協会(JIVA)の発表によると、フォークリフトの国内販売数は毎年約7万〜8万台。ただし、フォークリフトには自動車のような登録制度がないため、現在国内でどれほどの台数が利用されているか正確な数は不明です。そんなフォークリフトは、重い荷物を大量に移動させたり、トラックなどに積み込んだりと、物流の現場に欠かせない車両となっています。

フォークリフト災害発生件数

厚生労働省の労働災害統計によると、フォークリフトによる事故は毎年約2,000件発生しており、このうち死亡事故は20〜30件ほど。これは、クレーンなどを含む荷役運搬機械の中でも圧倒的に多い数字です。死亡事故の原因としては、「激突」「はさまれ・巻き込まれ」「墜落・転落」などが上位に挙げられます。

フォークリフト死亡災害

フォークリフトは、倉庫などの人の出入りが多い室内や、荷物の間の狭い通路を走行することが多く、前に大きな荷物を積むと死角が増えるという特性があります。また、運転者は荷物に気を取られがちで、他のフォークリフトや人の存在に気づくのが遅れる場合があります。こうしたフォークリフト特有の使用環境が、事故の一因となっているようです。

また、ドライバーの労働時間が制限される「物流の2024年問題」もあり、今後はフォークリフトの運転に不慣れな経験の浅いオペレーターが増える可能性があると考えられています。事故を防ぐためには、さらなる安全性の向上が必要です。その中で注目されているのが、フォークリフト専用のドライブレコーダーを活用した安全対策です。

フォークリフトのドライブレコーダーが安全性向上に貢献

倉庫

フォークリフトにドライブレコーダーを導入することには、安全性の向上というメリットがあります。たとえば、フォークリフト専用のドライブレコーダーにおいても、人の接近をAIが検知し、オペレーターに注意を促す機能が付いているユピテルのFDR-820AI SETがあります。このようなドライブレコーダーを導入することで、事故のリスクを大幅に軽減できるでしょう。

万一事故が発生した場合でも、ドライブレコーダーに記録されたデータを活用して事故原因を特定することが可能です。フォークリフトは複数人で同じ車両を運転することが一般的ですが、ドライブレコーダーの記録を参照すれば、事故原因や責任の所在を明確にし、事故の証拠保全や証拠提供にも役立てることができます。

また、ドライブレコーダーのデータは社員の安全意識を高めるためにも利用可能です。安全研修でドライブレコーダーの映像を使用し、死角を確認したり、事故の記録を振り返ったりすることで、どのような状況が事故に結びつきやすいか、またどのような運転が危険かを、より具体的に理解できるでしょう。

さらに、荒い運転を繰り返しているオペレーターを特定し、指導や注意を行うことも可能です。一方で、常に安全運転を心掛けているオペレーターを評価することもでき、従業員のモチベーション向上につながります。このような安全性の向上は、企業のブランドイメージを守り、さらなる信頼性の向上に寄与するでしょう。

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サプライチェーンのために。ドライブレコーダーはDX推進にも貢献

ドラレコ

フォークリフトへのドライブレコーダーの設置は、安全性の向上だけでなく、企業のDX推進にも貢献します。

たとえば、ドライブレコーダーのデータを活用すれば、稼働率の低い時間帯にフォークリフトの台数を減らしたり、他の倉庫に移動させたり、使用頻度が低いフォークリフトを処分したりすることが容易になります。また、危険エリアを把握して倉庫のレイアウトの改善を行うといった施策も実施しやすくなります。このようなデータを分析することで、運行管理も効率的に行えるでしょう。

他にも、GPS機能が搭載されたドライブレコーダーであれば、屋外での運用時に限り、フォークリフトの位置情報を把握することができます。さらに、荷物の破損に関しては、状況確認の参考情報として、ドライブレコーダーの記録が一定の補助的役割を果たす可能性があります。

DXが進展すれば、企業はより迅速で効果的な経営判断を下すことが可能となります。その結果、サプライチェーン全体の透明性と効率性の向上も期待できます。MaaS(Mobility as a Service)などのテクノロジーが社会の安全性や効率化を促進しているのと同様に、フォークリフトのドライブレコーダーもその一翼を担っているのです。

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フォークリフト専用ドライブレコーダーが物流業界の安全とDXを促進

物流改革やIndustry 4.0が進む中、フォークリフト専用ドライブレコーダーは、安全性の向上に加え、効率的な運行管理やDXの推進にも貢献しています。

たとえばユピテルのフォークリフト専用ドライブレコーダーと連携して使用可能な「FORKLORE」というソフトウェアは、インストール不要のWEBアプリケーションとして提供され、クラウド連携により現場の各種映像・データを一元管理します。専用機器(FDR-820 m2等)との連携で、映像の遠隔閲覧や運転状況の記録が可能となり、AI解析機能によって不安全操作を自動検知、チャプター動画や成績表として結果が表示されます。これにより、管理者は効率的な安全指導・事故防止対策を実現し、現場の運用効率と安全性向上に寄与します。

このようにフォークリフト専用ドライブレコーダーの活用が、フォークリフトの安全を支え、物流業界のさらなる発展に繋げてくれることでしょう。


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【執筆】ユピスタ編集部
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