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車の改造に関する法律が見直し! カスタム車を正しく楽しむ

2026.4.20

車を自分好みにカッコよくカスタムしたいと思うオーナーにとって、車検に通るかどうかは大きな懸念のひとつかもしれません。そして、その際に重要な役割を担っているのが、車検前の「改造届」における書類審査です。
この「改造自動車届出制度」が2026年10月から大きく変わります。これにより、改造のスタイルや仕様によっては、書類を揃える必要がなくなるかもしれません。なぜ不要になるのでしょうか?改造車・カスタム車を正しく楽しむために、今回の改正内容について詳しく解説します。

改造車・カスタム車の安全を守る「改造自動車届出制度」とは

愛車に手を加えてもっとおしゃれで、かっこよくしたいと思うオーナーは少なくありません。3日間にわたって行われたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2026」には、27万人を超える来場者が集まりました。
ちなみに、「カスタム車」と「改造車」は同じような意味に感じるかもしれません。一般的にカスタム車は外装・内装など「見た目」重視の変更、ドレスアップを指し、改造車はエンジンやサスペンションなどの「構造」重視の変更、チューニングを指すなど、それぞれのニュアンスで使い分けられていることが多いようです。

こうした車両が安全基準に適合しているかどうかを、事前に書面で審査してから車検を行う仕組みとして「改造自動車届出制度」が設けられています。「改造届」「公認車検の手続き」とも呼ばれていて、自動車技術総合機構(NALTEC)が書面審査を担当しています。
原則として、改造した車の車検を通すには、この制度に基づいた事前の書面審査と運輸支局等による実車検査(構造等変更検査)を行い、車検証の記載内容を書き換える必要があります。

本来は保安基準に適合する改造であっても、この審査を完了していない場合は法的に「不正改造車」とみなされます。しかし、書類の不備などで審査が差し戻され、手続きを終える前に車検満了日を過ぎてしまうなどのケースもあります。
無車検状態となると公道の走行ができないため、移動する際は積載車(キャリアカー)で運搬するか、市区町村発行の「仮ナンバー」を取得しなければなりません。仮ナンバーを付けないまま走行をした場合は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されるほか、違反点数6点が加算され、30日間の免許停止処分となります。また、「不正改造車で走行した」とされ、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もあわせて適用されます。
さらに、車検切れの際は自賠責保険も切れていることが一般的です。この場合の罰則はさらに重く、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。
この状態で万一事故を起こすと保険の免責条項に該当し、支払い制限を受ける恐れもあります。

このように、適切に手続きをして保安基準に適合させることは、改造車やカスタム車にとって、非常に重要なのです。

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「改造届」見直しで手続きや審査はどう変わる?

カスタムカー

「改造自動車届出制度」は、手続きの効率化を目的とし、デジタル化を進めるため2026年10月に大幅に見直されることが決定しています。

改造の範囲にもよりますが、例えばこれまでは必要書類を用意して事前審査を受け、書類上の審査に合格してから車検場で現車審査を受けるという2段階のステップが必要でした。しかし、見直し後は「安全性が明らかな改造」なら、書類審査を飛ばして現車審査だけで済みます。

このケースでいう「安全性が明らかな改造」は、サスペンションの交換や姉妹車パーツの流用といった、標準的なカスタムを指しています。公に安全性が確認されている部材を無加工で使う改造、一定の条件を満たす市販のアフターパーツを使用する改造などが該当します。自作のパーツを使用している場合や、純正パーツでも切断や溶接などの加工を施していると、引き続き書類審査が必要となります。

今回行われる見直しでは「改造自動車届出制度」が「新規検査等届出制度」に統合されます。これに伴ってパソコンやスマホからオンラインによる電子届出が可能となるので、平日の日中にわざわざ時間を作って運輸支局の窓口へ足を運ぶ必要がなくなります。また、審査結果の送付も従来は届け出から1週間〜10日程度かかりましたが、見直し後は審査結果通知書の郵送が廃止され、電子的に通知されるようになります。

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「改造届」見直しのメリット 正しく楽しむ改造・カスタムはよりスムーズに

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「改造届」が見直されることによってもたらされるメリットの中で特に大きなものは、改造届から車検までにかかる費用と時間が大幅に削減されることです。
多くの場合、改造届の手続きはカスタムショップに依頼することが一般的です。しかし、書類作成費(3〜6万円前後)や代行手数料(1〜3万円前後)が必要です。お金がかかるからといって自分で書類を揃えようとしても、強度計算書などの作成には専門的な知識が必要なので、個人で改造届を出す場合の大きなハードルとなっていました。

また、カスタムショップやディーラーにとっては、書類作成や申請にかかっていた事務負担の軽減という利点があります。それによって作業効率が向上すれば、代行手数料や工賃などを値下げする形で利用者にも還元されるかもしれません。

「改造届」の見直しは法律を守って正しくカスタムを楽しむオーナーやショップ双方にとってメリットとなるのです。

保安基準を遵守しておしゃれでかっこいいカスタム車を安全に楽しむ!

「改造届」は2026年3月に審査事務規程が改正され、同年7月に施行、10月1日から全面的に適用される予定です。しかし、この改正ではあくまで「届出手続き」が簡素化されるだけであり、安全基準が緩和されるというわけではありません。見直し後も保安基準に関するルールをきちんと守りつつ、個性を表現するカスタムや改造を楽しみましょう。

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【執筆】ユピスタ編集部
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