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VTuber(ブイチューバー)の海外シーンの現状とは。日本とはどう違う?

2023.5.15

毎日、パソコンやスマホの前で、たくさんのVTuberが様々な配信をしています。日本で大成功したVTuber人気は、海外でも広がりを見せるようになりました。コロナの影響で在宅時間が多くなったことも、それを後押ししています。そんなVTuberたちの活動には、日本と海外でどんな違いがあるのでしょうか。今やグローバルな展開を見せるVTuberの活躍をご紹介します。

トークにプレゼン、ゲーム配信。中の人の多彩な能力で広がる、VTuber活躍の場

VTuberとは、動画を投稿・配信する活動を行っている仮想キャラクターのことです。リアル・人間の「YouTuber」に対し、Virtual(バーチャル)なキャラクターなので、「VTuber」と呼ばれるようになりました。このネーミングは、2016年にあるライバー(配信者)さんが名乗ったのがきっかけですが、今では日本中に1万5000人以上のVTuberがいて、毎月100人前後がデビューしているそうです。

彼らは画面に向かってゲームの実況中継をしたり、雑談をしたり歌やダンスを披露したり。やっていることは人間のYouTuberとほぼ同じ。クリエイターの動きをモーションキャプチャー(動作をデジタルデータで記録する仕組み)で反映しているので、動きもスムーズです。主な収入源は広告ですが、視聴者が配信者を支援できる「スパチャ(スーパーチャット)」「投げ銭」と呼ばれる生配信での機能も大きな割合を占めています。中には数百万人のフォロワーを持ち、年間数億円を稼ぐVTuberも。すでにYouTuber収入ランキングの上位もVTuberたちが占めています。VTuber専門のプロダクションに所属し、企業や自治体とコラボするVTuberも現れました。

日本はアニメの認知度が高くアイドル文化も盛んなので、その延長線上にいるVTuberたちを応援する土壌があったのでしょうね。しかし、この日本発祥のVTuberたち、その人気は今や世界中に広がっています。

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Vtuber

ジャパニーズアニメやポップカルチャーの人気も手伝ってか、VTuberは比較的早い時期に海外でも話題をさらいました。2019年に開催された日中合同配信では、日本側の視聴者数は最大1万人ほどでしたが、中国側では最大15万人に上り、ちょっとしたニュースになりました。今では動画へのコメントが外国語で寄せられることも珍しくありません。動画には「翻訳組」と呼ばれる熱心なファンによって、外国語の字幕が付けられています。「TSKR(助かる)」、「seiso(清楚)」、笑いを表す「草」といったネットスラング(ネットミーム)は、海外でもそのまま通じるほど浸透しました。

一方、海外発の人気VTuberも登場しています。アメリカのあるVTuberは150万人のフォロワーを持ち、オリジナルのテーマ曲やBGMを流し、有名ブランドのモデルを務めています。日本でもよく知られているインドネシアの有名VTuberは、国の特産物や観光地をPRする公的な活動も行う予定だとか。また、アルゼンチンには31万人以上の登録者を持つVTuberがいて、海外勢では初めてチャンネル登録者数の上位50名入りを果たしました。

日本のVTuberにも英語で発信するライバーが増えています。英語が堪能でなくても一生懸命練習する様子は海外で好感度が高く、楽しい配信も人気です。海外勢とのコラボイベントでは数カ国語が飛び交うグローバルなコミュニケーションを見ることができますよ。

国民性やお国柄が現れる?キャラデザに違いはある?VTuberの海外シーンとは

Vtuber

海外勢と日本勢、VTuberの違いを見つけるのも楽しいもの。例えば海外VTuberは身バレ・顔バレが比較的OK。いわゆる「中の人」であるクリエイターがそのまま声を当てていたり、本名で別のSNSを運営していたりすることもあります。170万人以上のチャンネル登録者を持つイギリスのVTuberが、他のサイトで配信を行っていた有名ライバーと同一人物であることを本人が明かし、大きな話題となったこともありました。かたや、日本勢はクリエイターが表に出ないことが基本。声もボイスチェンジャーで変え、VTuberとしてのルックスは美少女だけど声を当てているのは男性、なんてこともあるほどです。

他にも、ファンとの接し方にも違いが見られます。日本で一般的なのは「ファンとアイドル」のような関係ですが、海外では視聴者とボイスチャットで話をするなど、友達同士のようにコミュニケーションを楽しむVTuberが多いようです。活動内容やキャラデザインにも、時にお国柄が反映されます。インドネシアのVTuberは歌を歌うことが好きだそう。海外勢はゲーム配信が多め。キャラデザインは日本アニメの影響を受けた美少女系が中心ですが、欧米ではアメコミ風のキャラクターも見られます。

もちろん、こうしたグローバルな交流には、気を付けなければならない点もあります。とりわけ歴史や政治に絡む部分では、知識と慎重な対応が必要とされるでしょう。とはいえ、国際交流に日々貢献しているVTuberたちのこれからの活躍が楽しみですね。

様々な人が関わり、世界へ!さらに広がるVTuber

VTuberたちのほんわかとした平和な雰囲気は、今の時代を生きる多くの人に癒しを与えています。世界に4万人以上いると言われるVTuberたち。自分好みの、自分に合った楽しみ方ができる推しに出会えたら、世界がぐっと広がりそうですね。

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【執筆】ユピスタ編集部
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