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ブロックチェーンとは?メタバースの拡大に欠かせないNFTとの関係

2022.6.20

皆さんは世界的有名画家の作品が数千万円で落札されたというニュースはよく聞かれるかと思いますが、コンピューターで作られた画像や動画などのデジタル作品が高額な値段で落札されたというニュースはあまり聞いたことがないのではないでしょう?
しかし、これからは当たり前になってくるんです。今回はデジタルアート市場の誕生にも関わる注目技術「ブロックチェーン」と「NFT」についてご紹介します。

注目技術「ブロックチェーン」とは?

ブロックチェーン

さて、デジタル作品と聞くと、あなたはこんなことを思うかもしれません。「コピーできたりしないの?」「本物なの?」「落札者以外にも所有している人がいるんじゃないの?」
これだけ技術が進歩している現在でも、デジタルデータに対して何となくこのような不安を持つ方は少なくないと思います。これ以外にも「うっかり消してしまったら?」「PCの故障や停電でデータが飛んでしまったら?」「セキュリティ面は大丈夫?」「誰か悪い人に改ざんされたりしたら?」などやはり形のないものに対して不信感をもってしまうことも。注目の技術「ブロックチェーン」は、そんなデジタルデータへの不信感を解消する画期的な情報管理の仕組みです。

これまでの情報管理の仕組みは、一つのデータベースで全ての情報を管理する集中管理型と呼ばれ、全ての利用者がデータベースにアクセスして情報を確認していました。この場合、何者かにデータベース上のデータを改ざんされてしまえば、全ての利用者に影響が出てしまいました。一方でブロックチェーンは、全ての利用者が同じデータを分散して管理する仕組みです。この仕組みを引越しを例にご説明します。
あなたが新居に引越しするとします。荷物を箱に梱包して、その箱を順番に並べていく様子を想像してみてください。テープで封をする前に、中身を確認して箱毎に何が何個入っているのかリストを作成して箱の中に入れておきます。また、作成したリストを全てコピーして引越し業者と自分でも共有しておきましょう。後日、新居での荷下ろしが終わりました。箱を開封して中身を取り出します。あなたは、お気に入りのコーヒーカップが1つ見当たらないことに気が付きました。もともと4つあったはずが3つしかなく、箱の中に入れておいたリストには3と記載してありました。自分が入れ忘れたのか?箱の中で割れたような痕跡もありません。さて、箱の中にはカップが何個入っていたのでしょうか?そうです、あなたはあらかじめ引越し業者と自分で共有しておいた手元のリストを見返せばいいのです。そこには4と記載してありました。つまり、カップはもともと4つあったのに、3つしか運ばれていなかったのです。引越し業者に問い合わせると、運搬中に1つ割れてしまい、そのことを隠すために同梱されていたリストを4から3に書き替えて、新しい箱に梱包し直していたことが判明しました。結果としてあなたは同じカップを後日引越し業者からもらうことができました。もしこの引越しの際に、リストが箱の中だけ、もしくは引越し業者だけの手元にあったとしたら、あなたはカップが4つあったことを証明することができなかったわけです。
これがブロックチェーンの仕組みです。ブロックチェーンは、全ての情報を一つの塊(ブロック)として利用者全員が等しく保持し、それぞれの情報の塊を鎖(チェーン)でつなぐように管理します。こうすることで情報の改ざんが行われたとしても、他の利用者の情報と異なる状態になるため、すぐに不正が判明するのです。ブロックチェーンのこの仕組みが、データの改ざんを極めて困難にし、デジタルデータの信憑性を飛躍的に高めることになりました。

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ブロックチェーンが生み出したNFTとは?

ブロックチェーン

これまでデジタルデータは簡単にコピーや改ざんができるため、価値が低い、あるいは価値がほとんどないと考えられていました。例えば画像データの場合、スクリーンショットを撮れば、まったく同じ画像を誰でも所有できてしまいます。しかし、そんなデジタルデータに対する従来の価値観を変えたのが、ブロックチェーンの非常に強固なセキュリティ性を活用したNFTです。

NFTは、Non Fungible Tokenの頭文字で、日本語では「非代替性トークン」と言われています。
「トークン」という聞き慣れない言葉は、「暗号資産」のことです。例えば、仮想通貨のビットコインや、特定のゲーム内でのみ使用できる通貨もトークン(暗号資産)です。このNFTをアートや音楽などのデジタルデータに付与することで、高度なセキュリティのもと著作者の情報や複製履歴が管理されるため、デジタルデータであっても複製や改ざんができないのです。これにより、デジタルデータにも他の物と同様に価値が認められるようになりました。

すでに身近になってきているNFT

ブロックチェーン

デジタルデータにブロックチェーンの仕組みを用いたNFTが付与されることで、デジタルデータ自体の価値観が変わりました。そんなNFTはすでに私たちの身近な所でも。それがNFTマーケットです。
2021年の夏、9歳の日本人の少年が夏休みの自由研究として、母親と一緒にiPadで累計212点のピクセルアート作品を作成しました。その作品をNFTマーケットで販売した所、SNSで話題となり全作品が完売となりました。
また、日本人の女性VRアーティストが作ったVRアートはNFTマーケットのオークションで1,300万円の値がつきました。
デジタルアートは今やパソコンやスマートフォンがあれば誰でも簡単に作成できます。これまで以上に身近になったアートの世界により今後様々な才能が開花することでしょう。

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文化的な影響を受けて独自の進化を遂げる、テクノロジーとカルチャーの関係性

現在、多くの利用者によりNFTが付与されたアートや音楽など、様々デジタルデータが制作・売買されています。実際にNFTマーケットを含む国内ブロックチェーン市場は、2019年度は171億8,000万円だったのに対して、2022年度には8倍以上の1,471億円を超える見込みで推移しており、2025年度には7,247 億 6,000 万円に達すると予測されているほどです。

メタバースにおけるNFTの重要性

近年、注目を集めているメタバースにも、NFTは重要な要素です。架空の世界のメタバースにおいて、人々はアバターとなって現実世界と同じように物やサービスを売買します。また今後メタバースの中で起業し、収益を上げる人々も出てくるでしょう。そこには今回説明したNFTが不可欠です。
デジタルデータに対する従来のイメージが変わったことで、「第二の世界」がメタバース上に登場する日がすぐそこまで来ているのです。


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【執筆】ユピスタ編集部
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